2014年8月29日(金)
8月豪雨災害 特別委の仁比、宮本議員質問
28日の衆参の災害対策特別委員会でそれぞれ質問に立った日本共産党の宮本岳志衆院議員、仁比聡平参院議員は、広島市をはじめとする8月豪雨被害の深刻な実態を示し、がれきの撤去や住宅の確保、生業(なりわい)再建などに全力を尽くすよう政府に求めました。
がれき除去 国が責任を
仁比議員
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広島市は、撤去する必要がある土砂の量について、トラック8万台分、搬出費用は100億円としています。
仁比氏は「がれきで覆われた道路」「岩の塊や流木、土砂で埋め尽くされた住宅」の被害状況を写真で示したうえで、「これは個人では除去できるものではない」と指摘し、「(がれき除去は)市だけではなくて、国が責任を持つとメッセージを発信するべきだ」と強調。国交省や自衛隊などが持つ重機を集中してがれき撤去に取り組むよう求めるとともに、「被災者に先の見通しを示せるように努力してもらいたい」と訴えました。
西村康稔内閣府副大臣は「ご指摘の通り。市だけではできないので、国・県・市で連携して取り組んでいきたい」と答えました。
仁比氏は、被災者が入居する県営住宅の風呂について、平時は入居者が設置することになっていることをあげ、「風呂のないまま避難者を入れるのか」と行政の責任で設置するように要求しました。日原洋文内閣府政策統括官は「県において浴槽の設備工事に入っている。1週間以内に設備を整え、住宅として提供する」と述べました。
仁比氏は「前進だ」と評価したうえで、「ただ市営・県営住宅は、エアコンも網戸もない。洗濯機・冷蔵庫もない」と指摘し、避難所の生活環境整備を求める内閣府通知(8月20日付)の趣旨にそい、改善の必要性を強調しました。
仁比氏は、今後の土砂災害対策について「土石流被災宅地の安全性の調査がどうしても必要だ」と強調。被災者が「元の場所に戻っても安全なのか。個人で判断できない」と述べていることを紹介し、国が責任を持ち、科学的な調査と危険度判定を行うように求めました。
生業支援踏み出す必要
宮本議員
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宮本氏は、京都府福知山市では同市商工会議所の会員1100軒中300から400軒が被害を受け、事業者から「これ以上の借金は無理。やめるかどうかの選択が迫られる」などの悲痛な声がでていることを紹介。「生業の支援に踏み出す必要がある」と迫りました。
西村康稔内閣府副大臣は「既存の予算を被災地に配慮して優先配分できないか中小企業庁長官に要請している」と答えました。
さらに宮本氏は、8月豪雨が広島をはじめ京都、兵庫、高知、北海道でも大きな被害を出しているとして、激甚災害の指定を広く行うよう要求しました。現地調査した兵庫県丹波市では、収穫前の稲穂が土砂に埋まるなどの農業被害が出ていることも示し、国による復旧支援を求めました。
古屋圭司防災相は「(兵庫県)丹波、(京都府)福知山、高知県、北海道などは一連の災害で被害を受けた地域と考えている」と述べ、激甚災害の指定対象として検討する姿勢を示しました。