2014年8月27日(水)
大きな意味持つ勝利
東電に賠償命令 被災者“償い直ちに”
原発被害判決
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「家族に寄り添った判決」「大きな意味持つ勝利だ」―。26日、福島第1原発事故で避難生活中に自ら命を断った渡辺はま子さん=当時(58)=の遺族に対し、東電に賠償を命じた福島地裁判決。原発事故で避難生活を余儀なくされている被災者らは、遺族とともに勝利の喜びをかみしめました。
判決後に記者会見した夫の幹夫さん(64)は「判決を聞き、涙が止まりませんでした。家族に寄り添った判決で、はま子にゆっくり休んでくれよと言える。裁判をやってよかった」と述べ、安堵(あんど)の表情を浮かべました。
提訴した当初には「『賠償金をもらっていながら金目当てだろう』などと言われました。亡くなったものは帰ってこないが一つの区切りが付けられた」と語りました。
弁護団の広田次男弁護士は「全面勝利です。きわめて大きな意味を持ち、十分評価に値するものです。東電は社会的責任を果たすべきです。人間としての道理をわきまえた判決で、脱原発の運動に大きな影響を与える」と話しました。
福島原発被害弁護団は同日、声明を発表。「東京電力は、判決を真摯(しんし)に受け止め、加害者として、はま子さんの遺族に対して、心から謝罪し、判決に従って、償いを直ちに行うべきです」と要求しています。 (菅野尚夫)