2014年8月25日(月)
パレスチナ議長 エジプト大統領と会談
ガザ停戦協議 再開訴え
【カイロ=小泉大介】パレスチナ自治政府のアッバス議長は23日、エジプトの首都カイロで同国のシシ大統領との会談後に会見し、パレスチナ自治区ガザをめぐる停戦協議を即時再開することが必要だと訴えました。19日に一時停戦が破綻し協議が停止して以降、イスラエル軍によるガザ空爆は続き、7月8日に本格攻撃が始まって以降のパレスチナ人死者は8月23日までに2105人に達しました。
アッバス氏は会見で、「私とシシ大統領は、これ以上の流血を止めるため、パレスチナとイスラエルの双方が一刻も早く停戦協議を再開し合意することが必要だとの認識で一致した」と表明。停戦協議の仲介役であるエジプト外務省も声明で、双方が期限を決めずに攻撃を停止し、本格停戦のための協議に戻るよう求めました。
協議再開要請に対し、ガザを拠点とするイスラム武装抵抗組織ハマスの報道官は23日、「われわれはパレスチナ人の要求を実現するためのいかなる努力も支持する」と前向きな姿勢を示しました。一方、イスラエル政府はコメントを発表していません。
イスラエル軍は23日、前日にガザから発射された迫撃砲でイスラエル人の4歳の子どもが死亡したことを受け、同地に対する空爆を強化。12階建ての大型民間ビルを爆撃し、完全に倒壊させました。住民の多くは避難しており死者は出ませんでしたが、子ども10人を含む約20人が負傷しました。
またイスラエル軍はガザ上空から、「武装組織が活動の拠点としているすべての家屋が攻撃の標的となる」などと書かれたチラシをばらまきました。同軍は7月中旬に地上部隊を投入した際も同様の“警告”を発していたことから、ガザ住民の間では地上侵攻再開への不安が広がっています。