2014年8月24日(日)
中学生脅すLINE府議
迷走「維新」頬かむり
市長選出馬の動きに批判続々
大阪・交野
無料通信アプリ「LINE」(ライン)でトラブルになった中学生たちに威圧的なメッセージを送りつけた「大阪維新の会」の山本景大阪府議(34)の騒動が収まる気配がありません。山本氏が出馬をにおわせる地元の交野(かたの)市長選(8月31日告示、9月7日投票)が迫るなかで、市内では、今回の問題でも害悪がはっきりした「維新政治」を一掃するための共同が広がっています。(藤原直)
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頭髪を丸刈りにしてかえってひんしゅくを買った山本府議の起こした問題とは―。本人の説明によると、山本氏が昨年、地元の女子中学生らとLINEのグループを作成。自分に対して「きもい」などと発言した中学生を退会させるなどしているうちに逆に自分が退会させられ、自らも「不適切なメッセージを送った」といいます。市教委によると、山本氏は中学生に「身元を特定されているのを分かっているのか」「絶対に許さない」「ただでは済まさない」などというメッセージを送り、生徒が恐怖感を抱いたといいます。
市教委要請にも
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同市に住む元中学校教諭で「子どもの発達・権利研究所」共同代表の松村忠臣さんは言います。
「子どもの発言が気に入らないからといって、感情をむき出しにして、『徹底的にやる』と脅したりするなんて、議員としても、おとなとしても許されることではありません。LINEでのいじめの調査も兼ねて始めたと言っていますが、自分自身が問題を起こしているじゃないですか」
市教委はこの間、山本氏が、LINE問題に加えて、無断で小学校のフェスティバルで児童に名刺を配ったことや、下校途中の中学生たちを自分の事務所内に入れてブログに写真を掲載したことなどを「迷惑行為」として善処を申し入れる文書を作成。昨年12月に維新府議団の今井豊幹事長に善処を求めていましたが回答がなかったため、7月25日に本人への申し入れを希望しましたが、受け取りを拒否されたといいます。
8日の新聞報道で問題が明るみに出ると、維新代表の橋下徹大阪市長は「未成年と接触するときは保護者同伴が当たり前」「(山本氏は)市長には向いていない。交野市が転覆する」などと批判してみせました。一方で、維新府議団の決めた「除団処分」には「ちょっとバランスが悪い」と慎重な姿勢を示しました。その後、府議団が処分決定を先送りするなど迷走状態に陥っています。
きょう市民集会
問題は交野市長選です。日本共産党も加わる「市民本位の民主的な交野市政をつくる会」は(1)維新政治の持ち込みを許さない(2)市民の声と運動でサービスを前進させてきた現市政下での前向きな変化をさらに発展させる―という立場から中田仁公市長を支援します。
同会の事務局長も務める坂野光雄・党市議団長は言います。
「今回の問題では、まともな反省もない山本氏本人はもちろんですが、府議にした維新の責任も厳しく問われています。しかも維新は昨年からこの問題を知りながら頬かむりし、明るみに出てから除団を決めましたが、それも迷走しています」
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山本氏は政策も維新そのもの。最近も政策で「首長の意向をダイレクトに教育政策に」とうたっていました。
坂野氏は「考えただけでもゾッとします。市長選には、山本氏が市長選に出馬したら府議の後釜に座ろうと維新にすり寄ってきた市議が出馬するとの情報もありますが、維新政治は交野から退場させなければなりません」と力を込めます。
会は24日に「市民集会」を開催。清水ただし党府副委員長や、市内在住の元大阪府小学校校長会会長の西林幸三郎さん、中学生の保護者代表らが発言し、中田市長もあいさつを行う予定です。