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2014年8月21日(木)

主張

広島土砂災害

救出と救援に全力をつくせ

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 異常な大雨に見舞われた広島市内で土砂災害が相次ぎ、死者と行方不明者が40人以上にのぼる、甚大な被害を出しています。亡くなった方とご家族、被害を受けたすべての方々に、心からお見舞いを申し上げます。行方不明者の救出と被害を受けた方の救援に、政府も自治体も全力をつくすことが求められます。食事や住宅の確保とともに、電気や水道などインフラの復旧が最優先です。

深夜から未明の大雨

 それにしても、なぜこれほどの大災害が起きてしまったのか、被害の大きさがわかるとともに、驚きは増すばかりです。

 広島市内が大雨に見舞われたのは19日の深夜から20日未明にかけてです。ここ数日、西日本など日本列島の各地が大雨に見舞われていましたが、広島を襲った大雨は1時間の雨量が100ミリを超すような記録的なものでした。

 洪水や土砂崩れの被害を防ぐには早めの避難が鉄則です。しかし深夜に突然襲った記録的な豪雨では、避難しようにも動けなかったというのが実情でしょう。自治体は一部で避難を勧告したといいますが、避難勧告が出た頃には救援の要請が殺到していました。大雨の中、ほとんどの人はまさに“寝耳に水”の形で被害にあったことが予想できます。

 現地から伝えられる映像は悲惨です。中国山地から続く山肌に何本も走る土砂崩れや土石流のつめあと―。直撃を受けた住宅は跡形もなく、自動車が何台もひっくり返っています。道路は土砂に埋まります。ばらばらに壊れた住宅の下で必死の捜索が続きます。

 広島市の北側に広がる山肌はもともと花こう岩が風化した地質で、少しの雨でも土砂崩れを繰り返してきました。国土交通省が全国で指定している土砂崩れ危険箇所は、広島県が約3万2千カ所と全国一です。広島県ではかつても土砂災害で30人を超す死者・行方不明者を出したことがあります。

 そんななか、広島市では急速な都市化が進み、崩れやすい山のすぐそばまで住宅地が広がります。今回大きな被害を出した市内北部の安佐北区や安佐南区はまさにそんな場所です。土砂崩れや土石流から住宅を守る、よう壁や堤防、水路などは十分整備されていたのか、点検が不可欠です。

 安佐北区と安佐南区を中心に、土砂崩れや土石流によって崩壊した住宅は数十軒にのぼると見られています。深夜から未明にかけての災害で、家の中にいた人が土石流などの下敷きになり、そのまま行方不明になっていることが考えられます。行方不明者の救出と被災者の救援は、まさに一刻の猶予も許されません。

全国どこでも警戒を

 広島市の災害では、救助活動中の消防署員も犠牲になりました。救出・救援を急ぐとともに、二次災害を防ぐことが不可欠です。

 8月半ば以降、西日本各地でも前線の活動に伴い大雨が降り、京都府や兵庫県、岐阜県などで亡くなった人が出ています。地球環境の温暖化などが背景となり、異常気象の発生が増えています。それでなくても山地が多い日本は各地にガケ崩れなどの危険箇所があります。

 今回の広島市のような大災害が全国どこでも起こりうることを前提に、災害を防ぐ対策を見直し、警戒を強めるべきです。


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