2014年8月20日(水)
戸籍業務の外部委託問題
東京・足立区 窓口委託 一部撤回へ
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東京都足立区議会の区民委員会が19日開かれ、区の戸籍窓口業務をめぐる問題で、東京労働局の是正指導を受けて区が18日に同局に提出した対応策について審議しました。区は窓口の大半を委託から区の職員にもどす是正内容を示しました。
この問題は、足立区が住民のプライバシーにかかわる戸籍業務を民間企業に外部委託し、東京労働局が是正指導していたものです。
足立区は、1月から戸籍・住民窓口の業務を「富士ゼロックスシステムサービス株式会社」に委託。介護保険課、会計管理室、国民健康保険課の業務も民間委託を契約し、さらなる業務の外部委託を計画しています。
3月には、東京法務局が判断業務を区職員が行うよう改善指導。区は指導を受けて、窓口の民間職員が区職員に判断をあおぐ仕組みをマニュアルに書き加えました。
ところが、東京労働局は7月、この足立区の業務委託の仕組みが、区の指示によって富士ゼロックスが業務を行う「偽装請負」にあたるとして、是正指導を行いました。
同日の区議会では、業務委託を装いながら区が民間職員を指示する偽装請負だとして労働局が是正指導した部分が、法務局の指導で修正した箇所であると日本共産党の、ぬかが和子区議が指摘。「どちらかを守ればどちらかが法律違反になる。両立しえない」と述べ、「大事な個人情報を守る、区民を守るためなら引くべきところは引くべき」だと外部委託全体の見直しを訴えました。
長谷川勝美政策経営部長は、答弁で今後の委託形態について、是正指導をもとに見直すと答えました。
同問題は、自治労連や党区議団が早くから指摘し、日本共産党の仁比聡平参院議員も国会で追及していました。
人権守る区政に 共産党区議団が声明
東京都の日本共産党足立区議団(針谷みきお団長、7人)は19日、区の戸籍窓口業務外部委託の一部撤回について声明を発表しました。
声明は、区が、窓口の大半を民間事業者から区職員に戻すとしたことについて「広範な区民や労働組合、国会・区議会が連携して区を追い詰めた結果」と表明。
一方、区が国保や介護保険の業務などで新たな委託に突き進む姿勢を示していると批判。「包括的な区役所本体業務の外部委託は撤回し、区民の人権とプライバシーを守る区政へと切り替えるべきである」と求めています。