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2014年8月17日(日)

主張

新基地ブイ設置

どんな無法にも県民は屈せず

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 あまりに野蛮で前近代的なやり方というほかありません。

 安倍晋三・自公政権は、沖縄県民の圧倒的多数が反対している名護市辺野古(へのこ)への米軍新基地建設に向け、海底掘削(ボーリング)調査を強行しようとしています。住民らの海上抗議行動を締め出すため、立ち入り禁止水域を示すブイ(浮標)やフロート(浮具)の設置も強行しました。海上保安庁の巡視艇やゴムボートを大量動員し、漁船やカヌーを繰り出して抗議する人たちを取り囲み、一時拘束して港まで強制的に連行するなど、住民敵視の姿勢をむき出しにしています。

協定目的からも逸脱

 今年初め、新基地建設阻止の公約を掲げ勝利した稲嶺進名護市長が、ボーリング調査に向けたブイなどの設置について「地域の人権と豊かな生物多様性を踏みにじるものであり、もはや民主主義国家の体をなしていない」と、「激しい怒り」を表明したのは当然です。

 安倍政権は新基地建設のための海面埋め立てなど本体工事に向け、海底地盤のボーリング調査の早期着手を狙ってきました。このため埋め立て工事区域での住民らによる抗議行動を締め出そうと、隣接する米軍キャンプ・シュワブの沿岸に以前から設けられていた立ち入り禁止水域を大幅に拡大しました。ブイやフロートの設置はその境界を示すためのものです。

 立ち入り禁止水域の拡大は、在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定に基づくとされています。しかし、同協定に基づく施設・区域の提供やその使用条件の変更は本来、米軍の使用のために行うものです。日本政府が行う埋め立て工事のために、地位協定に基づいて立ち入り禁止水域を拡大することは、同協定の目的からも逸脱しています。

 米軍が使用する施設・区域内の立ち入りが禁じられた場所に入ることを罰する刑事特別措置法の適用をちらつかせ、住民らをどう喝することなどもってのほかです。

 安倍政権は、ボーリング調査の結果を踏まえて設計を行い、埋め立てなどの本体工事に入る構えです。すでに、防衛省沖縄防衛局が本体工事に必要な作業ヤードの設置工事などの入札まで秘密裏に行っていたことが判明しています。作業ヤードは辺野古漁港に設置するものですが、名護市は漁港の使用を許可していません。それにもかかわらず裏で業者を勝手に決めているという無法ぶりです。

支援と連帯強める時

 安倍政権が、沖縄県民の反対の声に耳を貸そうとせず、新基地建設に向けた作業にしゃにむに突き進むのは、11月の沖縄県知事選前に既成事実をできるだけ積み上げ、仲井真弘多(なかいまひろかず)知事を後押しする狙いからです。

 昨年末、新基地建設のための埋め立てを承認し、県民を裏切った仲井真知事は今回のブイなどの設置について「僕に聞かれてもどうにもならない。事業をやっている防衛省に聞いた方が早い」などと答えたといいます。無責任極まる発言であり、沖縄県民を代表する知事の資格はありません。

 「政府がどんな無法を強行しても県民は屈服しない」―。沖縄からほうはいとして上がっているこの声に全国が応え、新基地建設に反対する県民への支援と連帯をいっそう強める時です。


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