2014年8月15日(金)
辺野古沖 ブイ設置強行 新基地反対排除狙う
住民ら海と陸で抗議
沖縄・名護
防衛省沖縄防衛局は14日、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設強行へ向け、米軍キャンプ・シュワブ沿岸の海上に、住民の海上抗議行動を排除するため工事水域への立ち入り禁止範囲を明示する浮標(ブイ)や浮具(フロート)を設置する作業を開始しました。新基地建設に反対する住民らは激しく抗議しました。
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作業に対し、基地建設に反対する住民らは漁船やカヌーを繰り出し監視・抗議行動を展開。しかし、海上保安庁の巡視艇とゴムボートが取り囲み、住民を工事現場に近寄らせないよう威嚇しました。
政府は7月、シュワブ沿岸の常時立ち入り禁止水域を従来の沿岸50メートル沖から最大2キロまで大幅に拡大。キャンプ・シュワブ沿岸部の周辺海域約561万8000平方メートルを常時立ち入り禁止区域に設定しました。ブイの設置によりこの範囲を明確にし、ブイを越えて制限水域内に入った場合、在日米軍施設・基地への進入などについて罰則を定めた刑事特別法の適用を含め、反対運動を弾圧する構えです。誰でも自由に利用できるはずの公有水面で日本政府の公共工事のための制限は、日米地位協定の目的からも逸脱しています。
防衛局はブイなどの設置後、埋め立て予定海域の計21地点でボーリング(掘削)調査を予定しています。
キャンプ・シュワブのゲート前では、約300人が集まり、新基地建設反対の監視・抗議行動が続けられました。
ヘリ基地反対協議会の安次富(あしとみ)浩共同代表は「防衛局が午前4時に作業を開始したことは、ジュゴンを保護するために作業時間は基本的に日の出1時間から日没1時間として提出した埋め立て承認申請を自ら破るもので許されない」と述べました。
稲嶺市長「激しい憤り」
沖縄防衛局によるブイ設置について、出張中の稲嶺進名護市長は「本日早朝、沖縄防衛局がブイの設置を始めたことに対し、激しい憤りを禁じ得ない」とのコメントを発表しました。
コメントで稲嶺氏は「日本政府は、新基地建設に反対する民意を無視しつづけ、地元の頭ごなしに計画を強硬に進めてきた」と指摘。「地元への情報提供もないまま、埋め立てに向けた調査を強行することは、地域の人権と豊かな生物多様性を踏みにじるものであり、もはや民主主義国家の体をなしていない」と厳しく批判しています。
そのうえで稲嶺氏は「日本政府のこのような暴挙に対し、強く抗議するとともに、『海にも陸にも新たな基地は造らせない』という信念を貫き、市民・県民と力を合わせて不退転の覚悟を持って臨んでいく」との決意を表明しています。
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