2014年8月14日(木)
「学長独断」の施行通知案了承
全大学で規則見直し求める
文科省は11日、「学長独断」体制をつくる学校教育法と国立大学法人法の施行通知に盛り込む内容を、有識者らでつくる検討会議に示し、了承されました。来年4月施行に向けてすべての大学で内部規則・運用の見直しを求めており、大学自治の原則をふみにじって介入・干渉を強める姿勢を示しています。
改悪法では、大学自治を担う教授会の役割を実質的に諮問機関に限定し、学長独断の大学運営を盛り込みました。
施行通知では、法律で教授会が意見を述べると定めた事項についても、「教授会の意見に拘束されるものではない」と指摘しました。一方で、学長の求めがない場合でも教授会が意見を述べることについては「差し支えない」と認めました。学長が教授会の意見を聴くことができるとする「教育研究に関する重要な事項」には、キャンパスの移転や組織再編なども含まれるとの考えを示しました。ただし、経営に関する事項は学長や理事会が決定すべきものだと強調しています。
国立大学の学長選考に関しては、選考会議が「主体的な選考を行う」としたうえで、「教職員による意向投票を行うことは禁止されるものではない」と規定。ただし、「過度に学内の意見に偏る選考方法は適切ではない」としています。
「改正の基本的な考え方」の項目では、7月末に出された原案で1番目に掲げられていた「大学自治の尊重」が4番目に後退しました。代わりに1番目に掲げた「社会的責任」では、果たすべき対象のなかに「企業」を盛り込みました。
文科省は、全大学を集めた説明会を9月2日に開催。12月には内部規則見直しの進ちょく状況を調査し、施行後の来年4月末に最終調査を行うとしており、すべての大学で「学長独裁体制」を敷くよう追い立てていく構えです。