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2014年8月10日(日)

米軍 イラク空爆

「確実に状況悪化」の指摘も

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 【ワシントン=島田峰隆】米国防総省は8日、米軍機がイラク北部のクルド人自治区アルビル近郊で、イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」に対する空爆を実施したと発表しました。米軍はその後、2度にわたって空爆を続けました。

 イラク空爆は、2011年12月に駐留米軍が撤退して以降、初めてです。

 国防総省のカービー報道官によると、最初の空爆ではFA18戦闘攻撃機2機が過激派組織の移動式の大砲を狙ってレーザー誘導爆弾で攻撃しました。「イスラム国」はこの大砲を使ってクルド人治安部隊を攻撃していたといいます。

 米軍はその後、第2波として無人機で過激派組織の迫撃砲を攻撃。さらにFA18戦闘攻撃機4機が過激派組織の車両や迫撃砲に第3波の攻撃を加えました。

 ホワイトハウスのアーネスト報道官は8日の会見で、空爆の実施期間について「オバマ大統領は作戦を終える具体的な期日は示していない」と発言。現地の治安状況を検討しながら判断する考えを示しました。

 また「軍事行動は限られたものだ」と強調し、空爆の目的として、現地の米軍要員や外交官などの保護、北部のシンジャル周辺の山岳地帯に避難しているクルド人少数派への人道支援などを挙げました。

 オバマ大統領は7日の声明で「テロ勢力が米国の要員や施設に脅威を与えるなら、イラクのどこであれ行動を起こす」と語りました。一方、米国が再び軍事介入することで、過激派組織が利用しているイラクの「宗派対立」がさらに悪化し、混乱が深まるという懸念も出ています。

 米シンクタンク「政策研究所」(IPS)のフィリス・ベニス研究員は8日、メディアに対し、イラク国民に不人気なマリキ政権を米国が直接的に支援していると受け止められる危険があることや、「イスラム国」がスンニ派住民から一定の支持を受けていることなどを指摘。「空爆は状況を確実に悪化させる」と述べました。


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