2014年8月9日(土)
ガザ空爆を再開
協議難航で一時停戦終了
【カイロ=小泉大介】パレスチナ自治区ガザをめぐるイスラエル軍とイスラム武装抵抗組織ハマスとの一時停戦は8日午前8時(日本時間同午後2時)、72時間の期限を過ぎ終了し、ハマスはイスラエルへのロケット弾発射を再開しました。エジプトの首都カイロで行われていた停戦恒久化に向けた協議の難航を受けたもので、イスラエル軍があらためてガザ攻撃を本格化させるのではとの懸念が強まっています。
一時停戦終了後の8日午前、イスラエルのネタニヤフ首相は軍に対し、ガザからのロケット弾発射に反撃するよう指示。その直後、軍はガザ空爆に再度乗り出しました。
ハマスを含むパレスチナ各派とイスラエル政府の代表は一時停戦が始まった5日以降、カイロでエジプト政府を介した間接協議をつづけてきました。しかし、パレスチナが恒久停戦の主要な条件として8年間にわたってつづくガザ封鎖を解除することを求めたのに対し、イスラエル側はハマスの武装放棄を主張して譲らず、合意の糸口すら見いだせないまま一時停戦期限を迎えました。
エジプト政府は恒久化協議継続のため一時停戦を延長するよう求め、イスラエル政府はこれに応じる姿勢を見せました。しかしハマスの軍事部門は7日夜の声明で、「合意が得られないのであればパレスチナ代表団は協議から撤退することを求める」としました。
ハマスはイスラエルが主張する武装放棄について、“占領下における武装抵抗は当然の権利だ”との立場を崩していません。
一方、パレスチナが求めるガザ封鎖解除に関しては、一貫してイスラエル寄りの姿勢を示してきた米国のオバマ大統領でさえ、「ガザが世界から隔離されつづけることがあってはならないと認めなければならない」(7日の会見)と表明する状況となっています。