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2014年8月6日(水)

14年版防衛白書 「戦争国家」へ大転換

集団的自衛権容認 「歴史的」と強調

武器輸出・秘密法も明記

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 小野寺五典防衛相は5日の閣議で2014年版防衛白書を報告しました。白書は、安倍内閣が強行した集団的自衛権行使容認の「閣議決定」について、抑止力によって「日本の平和と安全を確かなものにしていくうえで、歴史的な重要性を持つ」と強調。武器輸出推進への転換や秘密保護法の策定など、憲法を覆す「戦争できる国」への安保政策の大転換も盛り込みました。


 1978年以降の白書では、集団的自衛権の行使について憲法上「許されない」との記述が毎年踏襲されてきましたが、14年版からは削除。代わりに、憲法上許容される武力行使として、「国際法上は集団的自衛権が根拠となる場合がある」と明記しました。さらに、従来の自衛権発動の3要件に代わり、「武力の行使」の新3要件を掲載しています。

 沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設については、「県知事による埋立承認を重く受け止め、速やかに事業に着手する」と明記。普天間基地(同県宜野湾市)の佐賀空港への暫定移転案を政府自らが提起しておきながら、米軍の抑止力維持を理由に「辺野古が唯一の解決策」だとして「県内移設」(新基地建設)に固執しています。

 米軍のMV22オスプレイについては、仲井真弘多知事の求める「沖縄の負担軽減」を演出するため、本土の複数の演習場や飛行場への訓練移転の取り組みを列挙。沖縄配備で「在日米軍全体の抑止力が強化され」るなどと、ここでも抑止力論を強調しています。

 中国による尖閣諸島を含む東シナ海への防空識別圏設定については、「現状を一方的に変更し、事態をエスカレートさせ、不測の事態を招きかねない非常に危険なもの」と非難しました。

防衛白書に加わった安保政策

 ○集団的自衛権行使を容認する安保法制整備の基本方針(解釈改憲)
 ○軍事情報の管理を強化する秘密保護法
 ○国益のための抑止力強化を掲げる国家安全保障戦略
 ○軍拡の目標を示す新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」
 ○武器輸出を推進する防衛装備移転三原則

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