2014年8月1日(金)
イスラエル首相 停戦受け入れ拒否
ガザへの無差別攻撃続く
【カイロ=小泉大介】イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ攻撃は激化の一途をたどり、7月30日まで2日連続で一日の死者が100人を超える事態となっています。イスラエルのネタニヤフ首相は31日、イスラム武装抵抗組織ハマスが掘ったガザのトンネルを破壊するまで停戦を受け入れないと表明。一般住民への無差別攻撃の様相をいっそう鮮明にしました。
パレスチナ保健当局によれば、7月8日に攻撃が本格化して以降のパレスチナ人死者は31日午前の段階で1380人、負傷者は8000人に達しました。
イスラエル軍は30日午後、ガザ市東部のシェジャイヤ地区の市場を爆撃し、17人を殺害、90人を負傷させました。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は30日、北部ジャバリアのUNRWA運営の学校への砲撃で16人が死亡したことを非難する声明を発表。砲撃が行われた当時、学校には約3300人のガザ住民が避難しており、教室で寝ていた親子らが犠牲となったと明らかにしました。
無差別攻撃激化を受け、パレスチナ自治政府のアッバス議長は30日、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長に書簡を送付。イスラエルの戦争犯罪を批判し、「パレスチナ人を保護するためのあらゆる措置」を取ることを国際社会に求めました。
一方、イスラエル政府は30日の治安閣議で、「(ハマスの武装解除に向けた)作戦は顕著な成果を上げている」との認識を確認し、ガザ攻撃の拡大を今後も続けることで一致。同国軍は31日、新たに1万6000人の予備役兵を招集することを決定しました。