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2014年8月1日(金)

中国共産党の前最高幹部立件

「反腐敗」もろ刃の剣

信頼回復 威信失墜

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 【北京=小林拓也】中国共産党は7月29日、最高指導部のメンバーだった周永康・前党政治局常務委員(71)を「重大な規律違反」で立件・捜査すると発表し、反腐敗への強い決意を示しました。1978年の改革開放以降、政治局常務委員経験者が規律違反で摘発されたのは初めて。ある中国共産党関係者は「党中央の反腐敗は新たな高みに達した」と評価します。

 党内に深刻な汚職・腐敗がはびこるなか、党指導部は「この問題を解決できなければ、党も国家も滅びる」(第18回党大会報告)との強い危機感を抱き、大規模な反腐敗キャンペーンを進めてきました。習近平・党総書記(国家主席)は演説で「虎もハエも一網打尽にする」と何度も強調。「ハエ」は一般党員を指し、「虎」は党幹部を指します。

 2012年11月から今年7月までに、中央軍事委員会副主席を務めた徐才厚・前党政治局員をはじめ30人以上の政府高官が摘発されました。

 その中で最も地位が高い「大虎」として注目されていたのが周永康氏。党内に激震が走るのを覚悟で決定したのは、国民の党への信頼回復を目指して、反腐敗の本気度を示すためです。

 しかしある中国の政治学者は反腐敗キャンペーンは「もろ刃の剣だ」と指摘。「幹部を摘発すれば、確かに党への信頼は高まる。一方で、司法の場で罪の詳細が明らかになれば、『党の幹部にはこんなにもひどい腐敗があるのか』と逆に党の威信を失いかねない」と語ります。

 11年2月に鉄道相を解任させられた劉志軍氏は、受け取った賄賂が約6460万元(約10億7000万円)。重慶市のトップだった薄熙来・元政治局員は、約2500万元(約4億1000万円)の収賄と横領が裁判で明らかになり、世間を驚かせました。

 上位1%の世帯が中国の3分の1以上の富を独占するという格差社会の中、庶民の間に特権を享受する党幹部への怒りが渦巻いています。


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