2014年7月31日(木)
放射性廃棄物最終処分場
栃木・塩谷町を候補地に選定
町長反対 住民が抗議
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東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場建設をめぐり、環境省の井上信治副大臣は30日、栃木県の候補地として塩谷町の国有地を選定したことを見形和久町長に伝えました。井上副大臣は同日、町役場を訪れて見形町長と会談し、詳細な現地調査の開始に理解を求めました。これに対し、見形町長は「残念でならない」と述べ、建設に反対する意向を示しました。
会談で井上副大臣は、同町を候補地に選定した理由について「生活空間や水源との距離などを総合評価した結果、塩谷町が最高得点となった」と説明しました。
これに対し、見形町長は町の「尚仁沢湧水」が同省の名水百選に選ばれている事実を挙げ、「こういったことは全く視野に入っていないのか」と評価方法に疑問を呈しました。
会談には、福田富一県知事、町議会の正副議長らも同席。橋本巌副議長(日本共産党)が「候補地が国有地であることを理由に自由勝手に調査を開始できるのか」と質問。井上副大臣は「住民の合意がなければ調査はできない」と答えました。
役場周辺には、住民ら約250人が集まり、抗議行動を行いました。柿沼満さんは「塩谷町の町民は、生活も仕事も豊かな自然と共存している。塩谷町に共存を壊す最終処分場は必要ない」と話しました。
候補地は、世界遺産の東照宮がある日光市に隣接した山間部。上部には町営牧場があり、下部には農業・飲料用の多目的ダムがあります。
環境省は、栃木と宮城、茨城、群馬、千葉の計5県で指定廃棄物の最終処分場を建設する方針。候補地の提示は、宮城県に次ぎ2県目となります。
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