2014年7月28日(月)
安倍政権の武器輸出新原則
イスラエルへの輸出可能に
これが「積極的平和主義」か
イスラエル軍は連日、パレスチナ自治区ガザを攻撃し、パレスチナ人の死者は千人を超えました。このイスラエルに、安倍政権は4月に決定した武器輸出新原則(防衛装備移転三原則)により、米国を通じた武器輸出に道を開こうとしています。
イスラエルは米国の援助で、戦闘機440機(航空自衛隊は353機)を保有するなど、中東で突出した軍事力を保っています。パレスチナの武装抵抗組織ハマスとの差は歴然としています。
安倍政権の新原則では、国連安保理による制裁措置などが科せられていない場合、「紛争当事国」であっても武器輸出を可能にしています。これは、日本企業が共同開発に参加するF35ステルス戦闘機のイスラエルへの輸出を念頭においたものです。同国は20機程度の購入を予定しています。
さらに政府は17日、新原則に基づく初めての措置として、三菱重工業が生産している地対空誘導弾パトリオット(PAC2)の基幹部品(ジャイロ)の米国への移転を決定しました。米国は、日本製部品を使用したPAC2の第三国への移転を想定しています。当面はカタールが予定されているとみられますが、イスラエルもPAC2を保有しており、同国への輸出の可能性もあります。
安倍政権はこれらの武器輸出措置を「積極的平和主義」だと銘打っています。しかし、無力な住民を囲い込み、殺傷するような国家への武器輸出が「平和」とは縁もゆかりもないことは、だれの目にも明らかです。
(竹下岳)