2014年7月27日(日)
憲法にある人権回復が責務
被災地で初 自治体学校
仙台
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第56回自治体学校が26日、仙台市で始まりました。「被災地で学ぶホンモノの地方自治」を掲げ、初の東北での開催。3日間の日程で、初日は900人が参加しました。
「校長」の八幡一秀中央大教授が開校あいさつ。杉原泰雄一橋大名誉教授が「憲法と地方自治」と題して記念講演しました。
杉原氏は、日本では明治期以降、資本主義発展に地方の資源や労働力を利用する中央集権により地方自治が軽視されてきたと指摘。戦後は、各地域の産業や文化の発展こそが豊かさにつながる考えから、日本国憲法において地方自治が求められたと解説しました。地方財政が政府のしばりを受けて、自治体の特色を生かした事業ができない問題などをあげ、地方税財政の拡充が必要と強調しました。
東日本大震災の被災地から3人が登壇してリレートーク。
岩手県大槌(おおつち)町の保健師、岩間純子さんは、同僚3人を亡くし無力感に襲われるなかで自治体労働者として不眠不休で住民の不安に向き合ってきた体験を話しました。職場の仲間の存在に支えられている一方で、現在も継続的なメンタルケアを受けている職員もいることや、職員定数が削減されてきたことで震災時の人手不足に拍車をかけた問題について語りました。
河北(かほく)新報社(宮城県)の小島直広デスクは取材経験について発言しました。
馬場有(たもつ)福島県浪江(なみえ)町長は、政府や東電からの情報がないなかで原発事故からの全町避難は「苦難の連続だった」と指摘。「住民の幸福追求権や生存権、財産権は奪われたままだ。憲法で保障された人権を回復することが自治体の責務だ」と述べ、「原発再稼働などとんでもない。二度と原発事故を起こしてはならない」と強調しました。