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2014年7月26日(土)

主張

熱中症を防ぐ

老人と子どもに手厚い対策を

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 西日本や東日本の梅雨明けと同時に猛暑が日本列島をおおい、連日厳しい暑さが続いています。一年中で一番暑い時期です。懸念されるのは熱中症です。屋外での作業中や運動中というだけでなく、屋内でも暑さで体調を壊し、救急車で運ばれ、そのまま入院という例も増えています。とりわけ多いのは老人や幼児、子どもたちです。もともと体力が弱いだけでなく、暑さを感じにくいといわれることもあって、熱中症を防ぐために手厚い対策が不可欠です。

「厳重注意」が広がる

 熱中症は、気温が高いなかで長い時間すごしたため、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温が調整できなくなり、めまいや頭痛、吐き気、けいれんなどを引き起こし、意識がなくなる病気です。かつては日射病や熱射病とも呼ばれましたが、地球温暖化の影響もあって夏場の気温上昇が激しくなり、住宅の密閉性も高くなっているため、近年本格的な夏を迎えるとともに頻発するようになりました。手当てが遅れれば後遺症が残り、時には死に至ることもある恐ろしい病気です。たかが暑さと軽視することはできません。

 環境省では温度や湿度をもとに「暑さ指数」を計算しており、暑さ指数が28度を超えれば熱中症で病院に運ばれる人が増えると分析しています。暑さ指数28度以上が「厳重注意」、31度以上が「危険」です。今年もすでに7月半ばから東京、大阪、名古屋、新潟、広島、福岡の6都市での平均が28度を超え、熱中症で運ばれる人が増えています。梅雨明けが遅れた関東地方でも20日までの1週間に熱中症で緊急搬送された人は前週の1・4倍になりました。さらに増えることが予想されます。

 毎年熱中症にかかって緊急搬送され、重症化したり、死亡したりする人の大半が高齢者です。熱中症を防ぐためには、冷房などで体温を上げすぎないようにし、水分や塩分を補給することが必要ですが、もともと高齢者は暑さを感じにくいうえに、節約のために冷房を控えたり、トイレが心配であまり水を飲んだりしないことなどがその背景といわれます。

 こうした高齢者の熱中症を防ぐために、家族や地域が熱中症の危険を知らせ、冷房や水分補給を援助することが求められます。高齢者が昼間涼しい環境ですごせるよう、冷房の整った公共施設などをシェルター(避難所)として開放する動きが広がっていますが、高齢者が暑いなかそうした施設に来るだけでも大変です。送迎の手段を確保したり、自宅での冷房設備を援助したりして日中だけでなく夜間も高齢者が安心してすごせる手厚い対策が求められます。

人間らしく働くことこそ

 夏休みが始まり自宅などで過ごすことが多くなっている子どもたちにも、対策と注意が必要です。

 熱中症は働く人にとっても大問題です。暑い夏の日に残業させられるなど、長時間劣悪な労働環境で働かされて熱中症になったという例はあとを絶ちません。勤務中、熱中症で死亡した人だけでも最近5年間で100人を超します。

 熱中症予防の最大の条件は適切に休養をとり、寝不足や食事抜きを避けることです。長時間勤務など劣悪な労働条件を改善させるとともに、熱中症にならない人間らしい労働が求められます。


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