2014年7月25日(金)
パレスチナ死者700人超す
ガザ 停戦見通し立たず
【カイロ=小泉大介】イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザに対する空爆と地上侵攻は24日になっても止まらず、同日午前の段階でパレスチナ人死者は700人を超え、負傷者は4200人以上となりました。国連や欧米諸国、エジプトなどによる停戦努力は続いていますが、実現に向けた見通しは依然立っていません。
イスラエル軍が17日に地上侵攻を開始して以降、ガザの民間施設への爆撃が激しさを増しています。ロイター通信がパレスチナ当局者の話として伝えたところによると、一連の攻撃で全壊した家屋は475戸、半壊や一部損壊は2644戸に上っています。さらに学校46棟、モスク(イスラム教礼拝所)56棟、病院7棟も被害を受けています。
一方、地上戦突入でイスラエル軍の死者も増えており、23日までに32人となりました。イスラム武装抵抗組織ハマスによるイスラエルへのロケット弾攻撃をめぐり、欧米を中心とした航空会社がイスラエル中部テルアビブ近郊のベングリオン国際空港の発着禁止を継続するなど、経済的損失も増大しています。
このような状況下、米国のケリー国務長官は23日、イスラエルとパレスチナ自治区入りし、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長、パレスチナ自治政府のアッバス議長、イスラエルのネタニヤフ首相らと個別に停戦に向けた協議を行いました。同長官は、「われわれは確実に前進しているが、まだなすべきことがある」と表明しました。
ハマスの最高指導者マシャル氏は23日の会見で、人道的一時停戦には前向きな姿勢を見せる一方、「ガザ封鎖解除を含まない(恒久的)停戦案は受け入れない」と改めて言明しました。パレスチナ解放機構(PLO)のアベドラボ事務局長も同日、「封鎖解除はすべてのパレスチナ人の要求だ」と述べました。