2014年7月25日(金)
地対空ミサイル「ブク」 親ロ派 保有認める
武装勢力司令官が明言
【パリ=島崎桂】ウクライナ東部でのマレーシア機撃墜に関連し、親ロシア派武装勢力の代表の1人は23日、親ロ派として初めて、同機の撃墜が可能な地対空ミサイルを親ロ派が所有していた可能性を認めました。ロイター通信のインタビューに答えたもの。
それによると「ボストーク大隊」を名乗る親ロ派勢力のホダコフスキー司令官は、親ロ派がロシア製の地対空ミサイル「SA11(ブク)」を所有していると聞いたことがあると明言。ロシアが提供したものかについては明らかにしませんでしたが「ブクが存在した証拠を消し去るため、おそらくは送り返された」と述べました。
一方で同氏は、親ロ派によるブクを使用したマレーシア機撃墜の可能性を否定。他の親ロ派と同様、撃墜はウクライナ軍の犯行との見方を示しました。
欧米諸国はマレーシア機の撃墜にブクが使われたとの見方を強めています。親ロ派「ドネツク人民共和国」は当初、高高度を飛行中の航空機を撃墜する武器は持っていないとして関与を否定していました。
ロシアによる親ロ派への武器供給は現在も続いているおそれがあります。北大西洋条約機構(NATO)関係者は23日、ロイター通信に対し、撃墜後も「ロシアからウクライナへの武器移動の証拠はあがり続けている」と述べました。
欧州連合(EU)は、親ロ派への武器流入が止まらない限り対ロ制裁を強化する姿勢を示しています。