2014年7月23日(水)
「どうせ不採択。候補にするな」
神奈川県教委が教科書介入
市民ら調査要望
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神奈川県教育委員会(具志堅幸司委員長)の会議が22日開かれました。「公正な教科書採択を求める県民の会」が、特定教科書の排除をやめることなどを求める請願を提出。同会の岡本清弘代表が意見陳述し、県教委が昨年に続いて今年も学校の採択に介入していると訴えました。
県教委は昨年、実教出版の日本史A、Bの両教科書について「日の丸掲揚・君が代斉唱」の記述が県教委の考え方と異なるとして、両教科書を選んだ28校の学校長に再考を要求し、変更させました。
岡本氏は、意見陳述で、副校長と教頭を対象にした5月14日の教育課程説明会で、県教委の高校教育指導課長が、実教出版の両教科書について「不採択にする。再考にならないよう候補にも載せないでもらいたい」と指示したと主張。
証拠として、説明を受けた各校の管理職が、資料の実教出版の欄に「×」を記したり、「実教 日史AB 候補も不可」と書いたりしている資料を示しました。岡本氏は「選定のやり直しと経緯の調査を速やかにすすめてほしい」と要望しました。
しかし、県教委事務局は請願に対してなんら説明せず、県教委は「慎重に審議する必要がある」として、請願を継続審議にしました。
岡本氏は陳述後、選定教科書を県教委に報告する直前に、校長が職務命令で教科書を変えさせた学校もあると指摘し「県教委は、現場におりた調査をすべきだ」と話しています。