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2014年7月23日(水)

軍事利用否定の民間専用空港 オスプレイを押し付け

安倍政権暴走 佐賀県民驚き・不安

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(写真)佐賀空港=21日、佐賀市

 民間専用空港の佐賀空港を拡張してオスプレイなど70機の軍用機を配備する巨大な軍事基地にする―。22日、武田良太防衛副大臣の突然の提案に県民の間では、驚きと不安が広がっています。

地理的な要素

 「陸海空自衛隊部隊が近くにあり、統合運用に資するのが(佐賀空港選定の)一番の判断材料だ」。武田氏は記者会見で、地理的な要素を強調しました。

 防衛省は、長崎県佐世保市の相浦(あいのうら)駐屯地に新設する「水陸機動団」を軸に、オスプレイや輸送艦などを組み合わせ、「自衛隊版海兵隊」を創設する構想です。オスプレイの九州配備は既定路線とも言えるものでした。

 ただ、多くの県民はオスプレイ配備に反対・慎重です。

 「これまでの経緯を考えれば申し入れを受け入れるのは難しい」。佐賀市の秀島敏行市長は記者会見でこう述べました。「これまでの経緯」とは、自衛隊との共用はしないという協定に加えて、民主党政権下の2010年、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の佐賀空港移転案が浮上した際の市議会の反対決議です。県議会も反対決議を可決しており、同空港の軍事利用は否定されているのです。

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 佐賀空港が面している有明海で操業する県有明海漁協の徳永重昭組合長も「(空港からの)排水の油分など不安材料がいっぱい」と述べました。

 集団的自衛権行使容認の「閣議決定」などと同様に、安倍政権による軍事最優先・民意無視の横暴なやり方で、住民との深刻な矛盾は避けられません。

配備の可能性

 重大なのは、武田氏が沖縄の米軍オスプレイについて、訓練での利用だけでなく、暫定配備の可能性まで言及したことです。具体的な機数についても明らかにせず、米軍しだいという姿勢です。

 武田氏は自衛隊機の運用について、空港の運用時間などを定めた県の空港条例に従うと述べました。しかし、米軍は深夜・早朝の飛行を日常的に行っているように、この条例に準拠する保証は全くありません。沖縄県民の苦しみが、そのまま、佐賀県民に移転されることになります。 (小玉純一・竹下岳)

知事は反対表明を

日本共産党佐賀県議 武藤 明美さん

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 突然の話で県民は驚いていますし、どうなるのだろうと心配しています。

 佐賀には玄海原発があります。そこに墜落したら、とりかえしがつかない大惨事です。

 県は「観光立県」といい、佐賀空港に昨年、国際線ターミナルもつくり、中国や韓国からの空路確保も目指しています。中国からお客さんを呼ぼうというのに、中国もにらんだ軍用機を配備できますか。

 佐賀で行われる熱気球の世界大会の開催も危ぶまれます。

 佐賀空港の建設前、日本共産党は、採算がとれない無駄遣いと批判しました。今年開港16年ですが、その間、赤字の埋め合わせで県費80億円をつぎ込みました。この結果がオスプレイの配備になったら、県民はふんだりけったりです。

 有明の空、佐賀の空をオスプレイが飛ぶなんて、だれが想像できますか。有明の漁協はノリの生産日本一です。空港建設にあたって漁協と県は「自衛隊と共用しない」と覚書を結んでいます。

 民主党政権時代に沖縄の普天間基地「移設」の候補に挙がったときは、県議会も反対を全会一致で決議しました。

 県知事は、自衛隊オスプレイの配備にも、海兵隊オスプレイの訓練にも反対すると直ちに表明するべきです。

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