2014年7月23日(水)
オスプレイ 17機配備計画
防衛省が県に要請 米軍暫定配備も
佐賀 軍事拠点化に怒り
防衛省の武田良太副大臣は22日、佐賀県庁で古川康知事と会談し、陸上自衛隊が2015年度から導入を予定している米国製の垂直離着陸機オスプレイ17機の佐賀空港への配備を要請しました。防衛省は8月にまとめる来年度概算要求に関連経費を盛り込み、19年度から配備する構えです。 (関連記事)
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ヘリ含め70機に
同空港は1998年7月に開港した県管理の民間専用空港です。県が90年3月に地元漁協などと交わした協定では、自衛隊との共用はしないことを確認しています(別項)。突然の配備要請に県民の怒りや不安が広がっています。
武田副大臣は加えて、(1)近隣の陸自目達原(めたばる)駐屯地(吉野ケ里町)に配備されているヘリ50機を同空港に移転し、700〜800人規模・70機程度とする(2)空港西側の民有地20〜30ヘクタールを取得し、18年度までに駐機場などを整備する(3)長崎県佐世保市の陸自相浦(あいのうら)駐屯地に新設する「水陸機動団」の一部として運用する―方針も説明。安倍政権は中国をにらみ、九州を「日本版海兵隊」の一大拠点にする狙いです。
さらに、「沖縄の負担軽減」を口実に、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)所属のMV22オスプレイの訓練移転や、同県名護市辺野古の新基地が完成するまでの「暫定配備」にも言及しました。これが強行された場合、自衛隊機とあわせて70機を超える可能性があります。
古川知事は「なぜ佐賀空港なのか。オスプレイが安全なのか。政府として責任を持って説明することが必要だ」などと述べて回答を留保しました。ただ、今後の協議には応じる考えを示しました。
武田副大臣は8月までの了承を求めましたが、古川知事はこれを否定。9月の県議会で議題とする考えを示しました。
「自衛隊との共用しない」
佐賀県が交わした公害防止協定(抜粋)
覚書に「自衛隊との共用はしない」旨を明記されたい。
〈県の考え〉県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない。また、このことは協定第3条の「空港の運営変更」にもなることであり、当然に「事前協議」の対象となるものであると考える。
市民が抗議集会 県庁前
「撤回を」知事に申し入れ
防衛省の武田良太副大臣がMV22オスプレイ17機の佐賀空港への配備を要請した22日、日本共産党などの政党、労組、市民団体など約150人が佐賀県庁前で抗議集会を開きました。共産党県委員会は「計画の撤回を」と古川知事あてに申し入れました。
「佐賀の空にはオスプレイはいらない」「軍事基地化に反対」「ふるさとをまもろう!」などの横断幕を掲げて、抗議の声を上げました。
新日本婦人の会佐賀県本部の田中秀子会長は「平和な佐賀の空に危険なオスプレイの配備を計画するなんて驚きました。安倍首相のタカ派ぶりに怒りを禁じ得ません。命を生み育む女性の立場でも、子どもたちの未来に佐賀を戦争の足場にしたくありません」と話しました。
「居ても立ってもいられない」と佐賀空港の近くから駆けつけた男性(72)は「騒音問題や多発事故を起こすオスプレイを佐賀空港に配備するなんて気は確かか。自然豊かな有明海にオスプレイは似合わない」と怒りました。