2014年7月21日(月)
マレーシア機撃墜
親ロ派が調査妨害
機体の一部・遺体搬出
【パリ=島崎桂】ウクライナ東部でのマレーシア機撃墜に関し、墜落現場の調査を続ける欧州安保協力機構(OSCE)は19日、前日に引き続く親ロシア派武装勢力の妨害や遺体搬出により、今後の現場保存が困難になる可能性を示しました。
現場保存は撃墜状況の解明のカギになるとみられ、欧米諸国や被害国は厳重な現場保存を求めています。
OSCEの報道官は同日、現場から一部の機体や遺体が運び出されていることを確認したと発表。「まだ遅くはないが、時間と共に、現場や遺体の保全の機会は失われていく」と述べました。
OSCEによると、19日の調査では前日よりも広範囲にわたる移動が可能になった一方、親ロ派はこの日も警告射撃などにより一部残骸への接近を妨害。監視団やメディアに対し明確な不満を示したといいます。
ウクライナのポロシェンコ大統領は、現場保存の不備と親ロ派の妨害は「容認できない」と非難。同国政府は、親ロ派が38人の遺体を運び去ったとして「テロリスト(=親ロ派)がロシアの助けにより、国際的犯罪の証拠隠滅を図っている」と述べました。
193人が犠牲となったオランダのティメルマンス外相も、現場保全への妨害に対し強い憤りを示しました。
現地調査は20日にも行われる予定です。