2014年7月21日(月)
イスラエルによるガザ攻撃 被害深刻
暴力の連鎖 パレスチナ問題Q&A
イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が深刻な被害をもたらしています。暴力の連鎖が止まらないパレスチナ問題をQ&Aでまとめました。
攻撃なぜ?
Q イスラエルはなぜガザを攻撃するの?
A 今回の攻撃の直接のきっかけは6月末、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でユダヤ人少年3人が誘拐され、その後遺体で発見された事件です。イスラエルはイスラム武装抵抗組織ハマスの犯行と断定し、容疑者の大量拘束など強硬措置を開始しました。
一方、パレスチナ人の少年が報復として誘拐され殺害される事件が発生。パレスチナ住民の怒りが高まる中、ハマスはイスラエルに向けてロケット弾を多数発射します。イスラエルはこの攻撃への自衛と称して、8日からガザへの空爆を開始、さらに17日からは地上侵攻を行っています。
どんな所?
Q ガザってどんなところ?
A イスラエル独立にともなう第1次中東戦争(1948〜49年)の際に、イスラエル領内から大量のパレスチナ難民が流入。その後67年の第3次中東戦争でイスラエルの占領下に置かれました。93年のパレスチナ暫定自治合意(オスロ合意)に基づき、94年からパレスチナ人による自治が始まりました。
約365平方キロに約170万人(うち約120万人が国連に登録した難民)が密集して暮らします。2005年にガザのユダヤ人入植地を撤去し、イスラエルが完全撤退。しかし封鎖は続き、食料や医薬品の不足や経済の疲弊が市民生活を圧迫しています。
ハマスって?
Q ハマスってどういう組織なの?
A イスラム主義に基づいてイスラエルからのパレスチナ解放を目指し、1987年から武装闘争を開始しました。草の根の慈善事業などを通じて貧困層を中心に支持を集めますが、イスラエル国内での民間人を標的にした自爆テロなどを多発させたため、米国などからはテロ組織と指定されています。
07年からガザ地区を単独支配していましたが、今年6月、パレスチナ解放機構(PLO)主流派のファタハと和解し、統一政権の発足で合意しました。
中東和平は?
Q 中東和平はどうなっているの?
A パレスチナ問題の解決は、イスラエルのパレスチナ占領地からの完全撤退と、パレスチナ人民の独立国家樹立を含む民族自決権の実現、パレスチナ、イスラエルの双方が互いの生存権を認めて共存していくことにあります。
国連総会でも12年末、パレスチナを「国家」と認める決議を圧倒的多数で採択しています。
しかしパレスチナ国家への最大の障害が、イスラエルによる国際法違反の入植地拡大です。ヨルダン川西岸では、パレスチナ国家の「領土」となるはずの土地に、ユダヤ人用の住宅などを多数建設し、パレスチナ人が横断もできない道路で接続。パレスチナ人の権限が及ぶ土地は、寸断された小島のような状態になっています。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は11年の時点で入植者は52万人以上に上ると報告しています。