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2014年7月19日(土)

オスプレイ 厚木・富士一体で訓練拠点に

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 東日本に初飛来した米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイ(沖縄・普天間基地所属)は18日午後、厚木基地(神奈川県大和、綾瀬両市)を離陸しました。今回の飛来を通じて、同基地とキャンプ富士(静岡県御殿場市)を一体として運用し、東日本全体を視野に入れた訓練拠点を確保するという狙いがはっきりと見えてきました。 (小玉純一)


写真

(写真)厚木基地に飛来したオスプレイ=15日、神奈川県大和市

熱の耐性を確認

 防衛省は当初、キャンプ富士への飛来について「人員輸送」と説明していました。しかし、同基地を16日に視察した御殿場市によると、基地司令官は若林洋平市長らに「飛来は滑走路の状況、とりわけ熱への耐性の確認のため」と説明。離着陸時の高温排出ガスに対応できるかどうかの確認が目的でした。

 2年前の沖縄配備前に発表した米側報告書「環境レビュー」によれば、キャンプ富士で年間500回程度の飛行訓練を行うことになっています。飛来は同基地の本格運用を見込んだ事前テストだった可能性が濃厚です。

整備拠点の厚木

 一方、厚木への飛来について防衛省は「給油」「補給」と説明してきました。しかし、沖縄から富士への飛来で厚木経由はむしろ遠回りです。

 実は、海兵隊の航空機はキャンプ富士に隣接する自衛隊の東富士・北富士演習場で訓練を行う際に、これまでも、整備機能が充実している厚木を拠点にしてきました。そもそもキャンプ富士は整備・補給施設を持っていません。このため今後の訓練でも厚木と富士を一体的に運用することは容易に想像がつきます。そうなれば普天間基地周辺をはるかに上回る、世界最大の人口密集地帯である首都圏上空を、オスプレイが日常的に飛行することになります。

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日本全国で運用

 問題は首都圏にとどまりません。米海兵隊は、日本全国7カ所の低空飛行訓練ルートを活用する計画を明らかにしています。海兵隊はすでに岩国基地を訓練拠点にしています(表)。東日本では厚木・富士がその拠点になります。

 在沖縄米海兵隊司令部は本紙の質問に対し「日米安保条約や日米地位協定に基づき、日本全国すべての基地でのオスプレイの運用を想定している」と答えました。オスプレイ配備は全国の問題です。

担保にもならず

 オスプレイ配備に伴う日米合意では、水平飛行の航空機モードから、機体が不安定になる「ヘリコプター・モード(回転翼が上向きになった状態)」への転換は、原則として基地の中で行うとしています。しかし、15日は厚木でも富士でも、基地付近からの視界に機影が入ったときはすでにヘリモードでした。米側は御殿場市に、着陸10キロ手前で転換したと説明しました。

 「環境レビュー」によれば、転換には5〜10キロの距離が必要です。日米合意は、安全性について何の担保にもならないことが浮き彫りになりました。

 各地で墜落を繰り返してきたオスプレイが人口密集地の上空を飛行するのは世界で日本だけです。国民の命を守るには配備撤回以外にありません。

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