2014年7月19日(土)
マレーシア機を撃墜
ウクライナ東部 298人全員死亡
政府と親ロ派 相手を非難
【パリ=島崎桂】ウクライナ東部ドネツク州で17日、マレーシア航空のボーイング777型旅客機が墜落し、乗員・乗客298人全員が死亡したもようです。墜落現場はウクライナの親ロシア派支配地域。同機はミサイルで撃墜されたとみられており、ウクライナ政府、親ロ派双方が相手を非難しています。
墜落したのは、アムステルダム発クアラルンプール行きのMH17便。マレーシア航空は墜落前、同機がウクライナ上空で交信を絶ったと発表していました。ロイター通信によると、乗客の内訳はオランダ人173人、マレーシア人44人、オーストラリア人27人などで、19人の国籍が不明。日本外務省は邦人の安否確認を急いでいます。
欧州航空法安全機構(ユーロコントロール)は「高度1万メートル付近を飛行中にレーダーから消失した」と発表。同機がウクライナ政府の設定した飛行制限空域外にいたと述べました。
バイデン米副大統領は17日、米デトロイトでの演説で「撃墜されたようだ」との見解を示しました。CNNテレビによると、米政府高官は、地対空ミサイルで撃墜されたと述べています。
ウクライナのポロシェンコ大統領は墜落について、「ウクライナ軍は無関係だ」と述べ「テロリスト(=親ロ派)の攻撃だ」と非難。親ロ派は、高度1万メートルを飛ぶ航空機を攻撃する武器は持っていないとして、ウクライナ軍が撃墜したと主張しています。
ウクライナ軍と親ロ派の戦闘が始まった4月以降、親ロ派はこれまでに複数のウクライナ軍機を撃墜。今回のマレーシア機の墜落前にも、ウクライナ軍の輸送機を撃墜したと発表していました。
国連総長 「国際的捜査を」
【ワシントン=島田峰隆】国連の潘基文(パンギムン)事務総長は17日、ウクライナでのマレーシア航空機墜落に哀悼の意を示し、「全面的で透明性のある国際的な捜査が必要だ」と強調しました。ニューヨークの国連本部での会見で述べました。
ニューヨークからの報道によると、国連安全保障理事会はウクライナ情勢について18日午前10時(日本時間同日午後11時)に緊急会合を開きます。英国が要請しました。英国は墜落の「完全で徹底した、独立した国際的な調査」を求める安保理の報道向け文書を準備しているといいます。