2014年7月16日(水)
安倍政権打倒の国民的大運動を
日本共産党創立92周年記念講演会
「亡国の政治」と決別し、未来に責任を負う新しい政治を
志位委員長が講演
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日本共産党は創立92周年を迎えた15日、東京都新宿区の日本青年館で記念講演会を開きました。志位和夫委員長が「『亡国の政治』と決別し、未来に責任を負う新しい政治を」と題して講演。日本と国民に災いをもたらしている安倍政権の「亡国の政治」を、集団的自衛権、暮らしと経済、原発、米軍基地の四つの問題から浮き彫りにし、「安倍政権は、歴代自民党政権の中でも、戦後最悪の反動政権だといわなければなりません。このような内閣は一日続けば、その分だけ、日本と国民に災いをもたらすことは明らかです。安倍政権打倒の国民的大運動を起こそうではありませんか」と呼びかけました。「そうだ」「よーし」、志位氏の訴えの随所で拍手と声援がわき起こりました。「みんなの力で安倍政権を打倒しようではありませんか」との呼びかけに、会場から拍手が地響きのように起こり、しばらく鳴りやみませんでした。
報道カメラマンの石川文洋さん、漫画家の高口里純さん、聖護院門跡門主の宮城泰年さんが日本共産党への期待のビデオメッセージを寄せました。会場は第2会場まで満杯となりました。インターネットでも全国に中継され、1258カ所で視聴会がおこなわれました。会場には入党コーナーも設けられ、次々と相談者が訪れました。
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志位氏は、安倍政権が強行した集団的自衛権行使容認の「閣議決定」について(1)米国が世界のどこであれ戦争に乗り出したさいに、自衛隊が「戦闘地域」まで行き軍事支援を行う(2)「自衛の措置」の名目で集団的自衛権行使容認に公然と踏みこみ、海外での武力の行使に乗り出す―という二つの道で「海外で戦争する国」づくりを推し進めるものになっていると述べ、国民に事の真相を語らず、ウソとゴマカシに終始する安倍首相の言い訳が通用しないことを痛烈に批判しました。
そのうえで、1941年12月8日の太平洋戦争開戦の「詔書」を示し、無制限な海外での戦争を「国の存立」「自衛の措置」の名で推し進めることは、かつて日本軍国主義が「帝国の存立」「自存自衛」の名で侵略戦争を進めた誤りを繰り返すものであり、「断じて許すわけにはいきません」と力を込めました。
失われるものは何か
志位氏は、「閣議決定」は戦後日本のあり方を根底から覆そうというものだと批判。そのことで失われるものとして以下の三つの点を上げました。第一は、若者の命と人生、第二は、日本が憲法9条とともに築いてきた国際的信頼、第三は、日本社会の人権と民主主義―です。志位氏は「それにしても何のために安倍首相はこんなとんでもない暴走をしているのか」と問いかけ、その根底には日米軍事同盟の侵略的強化という日米支配勢力の思惑があるが、「それだけでは説明がつかない」と指摘。「安倍首相の異常な性急さ、乱暴さの根本には安倍首相自身の反動的野望がある」と告発。「それによって失うものははかりしれない。これは文字通り『亡国の政治』そのものではないでしょうか」と訴えました。
いま日本政治は、戦争か平和かをめぐって、戦後最大の歴史的岐路を迎えています。志位氏が「このたたかいの最終的な帰趨(きすう)を決めるのは国民の世論と運動です」と語り、「『海外で戦争する国』づくり許すな、解釈で憲法を壊すな―この一点で、空前の国民的反撃のたたかいをおこし、安倍政権の軍国主義復活の野望を打ち砕くために、ともに力を合わせましょう」と呼びかけると、「そうだ」の声と大きな拍手がわきおこりました。
志位氏は、いま何よりも大切なことは、道理にたった外交交渉による解決、平和的解決に徹する憲法9条の精神に立った外交戦略を確立することだと強調。日本共産党の「北東アジア平和協力構想」の提案の中身を詳述するとともに、元外務省高官も「極めて正論で、当然支持を得られるべきです」との感想を寄せていることを紹介。「この構想こそ、地域の平和と安定を守り、未来に責任を負う提案ではないでしょうか」と問いかけると、参加者は大きな拍手でこたえました。
「逆立ち」経済ただそう
暮らしと経済の問題ではどうか。
志位氏は、安倍政権が実行した消費税大増税を「三重の『逆立ち』税制だ」と指摘。(1)「社会保障のため」といって消費税増税を強行しながら、社会保障給付の「自然増削減」の方針を復活させた(2)「財政再建のため」といって消費税増税を強行しながら、大企業には大減税の大盤振る舞いが行われている(3)大企業減税の財源のためとして、赤字で苦しむ中小企業からも税金を取り立てようとしている―の3点で告発しました。
さらに安倍首相が「成長戦略」の名でやろうとしていることは、「政権を維持するために株価を引き上げることの一点を目的とし、そのためならば何でもあり―これが中身です」とズバリ。株価引き上げのために、法人税大減税、公的年金の株式運用、労働法制の大改悪に血道をあげる姿を厳しく批判しました。株価引き上げメニュー以外には、日本の食と農を破壊する環太平洋連携協定(TPP)推進、原発再稼働、原発輸出、武器輸出、カジノ賭博解禁が盛り込まれていることを指摘し、「これが『成長戦略』とは聞いてあきれます。ここには、国民の命と暮らしを守るという立場はかけらもない。暮らし破壊の『逆立ち』経済、文字通りの『亡国の政治』というほかないではありませんか」と力説しました。
ただされるべき日本経済の病理はどこにあるのか。志位氏は、この1年間の新しい数値を紹介しながら、「大企業の利益が増えても、株主への配当、役員報酬の引き上げ、そして内部留保に積まれてしまい、労働者の賃金には少しも回らない。ここにこそメスをいれるべき日本経済の一番の病理があります」と強調し、日本経済を再生させるための二つの改革―(1)「応能負担」の原則に立った税制改革(2)大企業の内部留保を日本経済に還流させ、国民の所得を増やす経済改革―を提唱しました。
原発再稼働断念を
原発再稼働の問題で安倍政権は、原発を永久に使い続ける「エネルギー基本計画」を決定し、原発再稼働へ暴走しています。志位氏は「この暴走は、被災地・福島の願いに真っ向から背くものです」と述べ、「住み続けられる福島に戻せ」「福島原発の全基廃炉を決断せよ」など「オール福島」の声に連帯してたたかう決意を表明しました。
原発再稼働差し止めを求める福井地裁判決の画期的意義に言及し、「安倍政権がこの判決を重く受け止め、全国すべての原発の再稼働を断念することを強く要求します」と訴えました。
沖縄県民の決意に全国が応え
安倍政権は、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内で新基地建設の工事に着手しました。
志位氏は、こうした動きを地元紙が、60年前の「銃剣とブルドーザー」による土地強奪と基地拡大とうり二つだと批判していることを紹介。「県民の7割以上が反対し、稲嶺進名護市長も断固反対しているなかで、この声を一顧だにせず強行する姿勢は、およそ民主主義国家とは言えない。ここでも『亡国の政治』がむき出しになっています」と告発しました。
「県民の総意を踏みつけにした暴政は、島ぐるみのたたかいの巨大な発展を呼び起こさずにはおかない。『沖縄は屈しない』―沖縄県民のこの決意に全国が応えようではありませんか」と呼びかけると、大きな拍手が響きました。
「安倍政権打倒の国民的大運動」を提起した志位氏は、日本共産党がこのたたかいの先頭に立つとともに、国政の緊急の四つの転換―(1)「海外で戦争する」国づくりを中止、憲法9条を生かした平和日本への転換(2)くらし破壊の「逆立ち」経済をただし、暮らし第一で日本経済再生をはかる(3)原発再稼働ストップ、「原発ゼロの日本」への転換(4)米軍新基地建設ストップ、基地のない平和な沖縄の実現を訴えました。
日本共産党を強く大きく
最後に志位氏は「日本共産党こそ、未来に責任を負う政党です」と述べ、(1)綱領という未来への確かな羅針盤を持つこと(2)確かな歴史を持つ党でこそ未来を拓(ひら)く先頭に立てること(3)草の根で国民と結びつき、国民とともに未来を拓く政党であること―の三つの角度から日本共産党の特徴を縦横に紹介。「未来に責任を負う党―日本共産党を大きくすることに日本の未来はかかっています。どうか一緒に新しい日本への世直しに取り組もうではありませんか」と呼びかけました。