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2014年7月15日(火)

ガザ空爆 170人犠牲 子どもなど8割民間人

安全、どこにもない

遺族、本紙に語る

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 【カイロ=小泉大介】イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの空爆は開始から6日目となった13日も止まらず、死者は170人を超えました。国連によれば約8割が子どもや女性など民間人です。遺族や医療関係者は本紙の電話取材(13日)に空爆の実態を証言しました。


 イスラエル軍は12日夜、ガザ市東部の警察長官宅を空爆しました。長官は一命をとりとめたものの、他の家族18人全員が死亡する大惨事となりました。

 「殺されたのは子ども5人を含むまったくの民間人です。空爆直後にかけつけると、3階建ての家は完全にがれきとなり、ところどころに大量の血があふれ、手足など人間の身体の部分が散乱していました。とてもこの世の光景とは思えませんでした」

 こう語ったのは家族の親戚の男性、モハメド・エルバッチさん(28)。

住民を根絶やし

 「イスラエル軍は一瞬にして18人もの人間の人生、夢や希望を奪いました。これを大虐殺といわずに何というのでしょうか。ガザの住民を根絶やしにしようとしているとしか考えられません」とつづけました。

 同じくガザ市に住み、9日の空爆でいとこに加えてその妻と2人の子どもを亡くした男性、ヤセル・マルカフさん(42)の声も怒りに震えました。

 「家族でたったひとり生き残った7歳の子どもが不憫(ふびん)でなりません。イスラエル軍は(イスラム武装抵抗組織)ハマスの関係者の家を空爆しているといいますが、神に誓って、犠牲になったいとこらはハマスとは関係ありません。こんな恐ろしいことが現在の世界で起きていいのでしょうか」

 破壊された家屋は500戸以上に上るとみられます。イスラエル軍はハマスら過激派のメンバーや武器が隠れているとして民家空爆を正当化していますが、これは国際人道法に違反するとの批判が内外から上がっています。

 ガザを拠点とするパレスチナ人権センターの女性調査員、サブリーン・イブラヒムさんは「民家空爆がまかり通るのであれば、ガザには安全な場所などどこにもないことになってしまう」と憤りました。

病院機能が停止

 空爆による負傷者も増加の一途で、13日までに1200人を超えました。その人々を手当てする医療現場も重大な危機に直面しています。

 ガザ市のシーファ病院のヤセル・アルタタール院長は、「ここに運ばれてくる負傷者はほぼ100%民間人です」と断言したうえで、医薬品や医療器具の深刻な不足や、ガソリンも足りず満足に救急車を出動させられない事態に危機感を募らせました。「このまま空爆と封鎖がつづけば、あと数日間で病院は機能停止に追い込まれてしまう…」と。


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