2014年7月14日(月)
輸入ウナギ 不正流通か
環境団体がDNA調査
国内大手スーパーが販売する輸入ウナギについて不正流通の疑いがあることを環境団体がこのほど、記者会見し、明らかにしました。
「アメリカもの」が絶滅危惧種「ヨーロッパ」と判明
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日本は世界一のウナギ消費国です。昔の“ごちそう”は近年、スーパーやコンビニでも安く並んでいます。
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、スーパー14社の店舗で、輸入ウナギ17商品を購入し、該当商品写真や購入店舗などを各社に伝え、輸入ウナギの種を尋ねました。
その結果、スーパーが把握している種とDNA検査による種が食い違ったのがイズミ、アークス、マルエツ、ヨークベニマルの4社4商品でした。特に「アメリカウナギ」と回答したイズミの商品は、検査の結果、絶滅危惧種に指定されている「ヨーロッパウナギ」でした。
会見した海洋生態系担当の花岡和佳男(わかお)さんは、「ヨーロッパウナギの輸入には所定の手続きが必要で、違う種で輸入されたとすれば『不正』な輸入の可能性がある」と話しました。同社はその後、再調査し、該当商品を含む中国産の扱いを中止しました。
また、イズミヤとフジは、種について尋ねたグリーンピース・ジャパンへの回答を拒否。扱っていた商品は検査で「ヨーロッパウナギ」と判明しました。
花岡さんは、「日本の大事な食文化ウナギを本当に絶滅させないために持続可能な利用を考えるべきだ」と会見で述べました。グリーンピース・ジャパンは10日、水産庁に▽ヨーロッパウナギの流通実態の調査▽関係省庁や輸出国と連携し、貿易管理体制の強化―などを要請しました。
ヨーロッパウナギ ヨーロッパの河川に分布する。1990年代に稚魚を中国で養殖し、日本に輸出する販路が定着し、資源量が激減。野生動植物の国際取引に関するワシントン条約締約国会議(2007年)で規制が決まり、08年には国際自然保護連合のレッドリストに登録され、絶滅危惧種に。ニホンウナギも今年6月、レッドリスト入りし、絶滅危惧種に指定されている。