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2014年7月13日(日)

主張

オスプレイ飛来

全国への拡散を許さず撤退を

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 沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に配備されている垂直離着陸機MV22オスプレイが今週にも、東日本の各地に相次いで初飛来しようとしています。事故への懸念が強いオスプレイの作戦、訓練など行動範囲を全国に一気に拡大する重大な動きであり、看過できません。

東日本へ初飛来狙う

 オスプレイの東日本への初飛来は、15日に1機が人員輸送のためとして、神奈川県の米海軍厚木基地(大和市、綾瀬市など)に立ち寄った後、静岡県の米海兵隊キャンプ富士(御殿場市)に降り立つ予定です。20日には2機が北海道の陸上自衛隊丘珠(おかだま)駐屯地(札幌市)での航空イベントで機体展示をします。北海道に向かう途中の19日には、東京都の米空軍横田基地(福生(ふっさ)市、瑞穂町など)に、給油のために飛来するとしています。

 横田基地では6日に、沖縄への大型台風の接近に伴い、オスプレイ数機を避難させる計画も持ち上がりました。最終的には取りやめになったものの、機会があれば、飛来地を拡大しようとする思惑が透けて見えます。

 オスプレイは、米海兵隊が任務とする他国への侵攻作戦を強化するため導入した新型輸送機です。開発段階で墜落事故を繰り返し多数の死者を出しています。2012年の普天間基地への配備直前にも、アフリカ・モロッコと米フロリダ州で墜落事故を相次いで起こしました。沖縄配備後は、「学校や病院を含む人口密集地域上空を避ける」とした日米合意に違反する危険な飛行が常態化しています。

 今回、飛来が予定される地元の平和団体などはもちろん、少なくない自治体が「オスプレイの厚木基地への飛来は、新たな騒音負担が生じることとなり、到底許されるものではない」(綾瀬市)「基地周辺住民の安全性への懸念が払拭されないまま横田基地へ飛来することがないよう、改めて強く要請する」(横田基地周辺5市1町でつくる基地対策連絡会)と中止を求めているのは当然です。

 オスプレイはこれまで本土への飛来では、山口県の米海兵隊岩国基地(岩国市)を頻繁に使用し、中継・補給・訓練拠点にしてきました。滋賀県の饗庭野(あいばの)演習場(高島市)での日米共同訓練にも参加しています。今回の東日本各地への飛来は、厚木、横田、キャンプ富士の米軍基地をオスプレイの拠点にし、日本全土を米海兵隊の訓練場にする狙いが込められています。

 沖縄県の仲井真(なかいま)弘多(ひろかず)知事が、普天間基地に代わる新基地建設のため名護市辺野古(へのこ)沿岸域の埋め立てを承認したのと引き換えに、現在24機態勢のオスプレイの半分程度を県外に配備するよう求めているからです。しかし、これは、辺野古の海兵隊新基地を拠点にしてオスプレイの沖縄配備を恒久化するとともに、騒音被害や墜落など重大事故の危険を全国に拡散するものでしかありません。

沖縄県民に連帯して

 沖縄県民の多数が求めているのは、昨年1月に県内の全市町村長・議会議長らが安倍晋三首相に提出した「建白書」に示されているように、オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、「県内移設」断念です。本土へのオスプレイ飛来反対の声を高めるとともに、こうした沖縄県民のたたかいに連帯することがなにより必要です。


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