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2014年7月12日(土)

全国学力テスト受託のベネッセ

情報流出に懸念の声

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 「進研ゼミ」などの通信教育事業を展開する受験産業大手・ベネッセコーポレーションの、最大約2070万件におよぶ可能性がある顧客情報漏えい問題で、2007年度以来、文部科学省から全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)=小学校6年生分=を受託する同社の情報管理や漏えい防止体制を懸念する声が広がっています。

 文科省が委託する事業内容は、実施にかかる一連の計画・体制・仕組みの構築や調査資材の設計・作成・結果提供の実施、採点・集計作業などです。今年度の契約金額は約21億3000万円余。

 文科省の学力調査室の担当者によれば、個人名を回答用紙などに書いたのは07年度のみで、今年度は、学校名、クラス、出席番号、7ケタの整理番号が記載されているといいます。

 下村博文文部科学相は11日の記者会見で、ベネッセ社が受託している小学生の全国学力テストについては、情報漏えいがなかったとしました。

 同社などの学力テスト受託について、日本共産党の石井郁子議員(当時)は2007年4月の衆院教育再生特別委員会で、民間の受験産業が個人情報を収集することを厳しく追及していました。

 ベネッセコーポレーションが受託した全国学力テストの情報の漏えいへの懸念について、文部科学省の学力調査室の担当者は「9日に同社から、漏えいはないと報告があった。今回の事案と管理されている(コンピューターの)サーバーが違っている。(全国学力テストの)情報は年度末に単年度で削除している。削除には文科省の職員が立ち会っている」とします。

 ベネッセホールディングス広報課は「(全国学力テストは)関係ない。データベースとしてまったく別な管理になっています。学力テストは、個人を特定できる情報は収集していないという認識です」といいます。

 全国学力テストが初めて行われた2007年、日本共産党の石井郁子衆院議員=当時=は、第1次安倍政権に対し、学力テストでの個人情報収集問題を繰り返し追及しました。全国学力テストを前に、ベネッセが各小学校あてに独自テストを売り込むダイレクトメールを送っていることを批判。「特に採点、集計などが、小学校はベネッセです。こうした調査を民間の受験産業に丸投げするということに、今大変国民の間で不安が広がっている」(07年4月20日、衆院教育再生特別委員会)と指摘していました。

 全日本教職員組合(全教)教文局長の中村尚史さんは「全教は当初から全国一斉学力テストの実施にあたって、民間企業が回答用紙の回収など個人情報を取り扱うことによる懸念も表明し、『特定の民間企業に集積される膨大な個人情報が漏えいしない保障はどこにもありません』と指摘してきました。今回は学力テストの情報が漏えいしたものではありませんが、こうした危険性がある以上、少なくとも全国一斉学力テストの回答用紙の回収や採点を民間企業に委託することはやめるべきです」といいます。

 (中東久直)


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