2014年7月11日(金)
ニコン 雇い止め撤回を
期間契約社員が提訴
働いてきた努力問う
東京地裁
神奈川県のニコン相模原製作所で「減産」を理由に雇い止めされた期間契約社員の濱谷(はまや)和久さん(32)は10日、雇い止め撤回と未払い賃金、損害賠償金の支払いを求めて、東京地裁に提訴しました。
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原告の濱谷さんは2008年2月から派遣労働者として、ニコン相模原製作所でレンズの研磨や洗浄作業に携わってきました。派遣期限を迎え、同社は2013年9月に直接雇用の契約社員に転換。ところが、契約を1回も更新することなく、今年3月末に「減産」を理由に「期間満了」として雇い止めされました。
濱谷さんは首都圏青年ユニオンに加入し、団体交渉や社前宣伝をおこなってきましたが、解決がはかれないため提訴に踏み切ったものです。
弁護団の佐々木亮弁護士は、労働契約期間満了時に契約が更新されると期待する「期待権」に該当すると指摘。「直接雇用はしたものの、おそらく派遣社員を減らしたいと戦略的に考えた行動であり、『派遣切り』と言ってもいい」とのべました。
濱谷さんは「直接雇用で5年も働く人がいたので、自分も直接雇用になった時は長く働けると期待した。危険な溶剤を吸いながらがんばってきたのに、何のねぎらいもなく、尊厳が傷つけられた。これまで働いてきた努力をどう考えているのかを裁判で問い、職場復帰をかちとりたい」と決意をのべました。
首都圏青年ユニオンの武田敦委員長は「団体交渉で所長から『よく働いてもらいました』との言葉も得ており、能力上、何の問題もなかったことは確かだ。労働者派遣法が改悪されれば、『派遣切り』撤回のたたかいもできなくなる。たたかって改悪にくさびを打ちたい」と訴えました。