2014年7月4日(金)
ビバ!フチボーウ (ポルトガル語で“万歳!サッカー”)
魁聖の育ったクラブがあった
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大相撲初のブラジル人幕内力士といえば、魁聖(かいせい)。その彼が育った相撲クラブがサンパウロにあります。
毎週日曜日、10人ほどの会員が市の施設で汗を流しています。
世界相撲選手権大会の代表を数多く出してきたこのクラブは、稽古も本格的。日本の大学の相撲部から学び、十分にしこを踏み、すり足をしてからぶつかり稽古が始まります。
「相撲は一瞬で勝負が決まる。瞬間の判断が難しいけどうまくできたときはうれしい」
小学校教員のルシアーネ・モンテゴメル・ワタナベさん(29)は昨年の世界大会2位の実力者。学校に発案し、70人の子どもらに相撲を教えているといいます。
「魁聖が16歳でクラブに入ってきたとき、私は勝っているのよ」と自慢げに語るワタナベさん。「彼は優しい気持ちの持ち主。その友達が頑張る姿を見るのはうれしいし、とても幸せな気持ちになれる」と笑みを浮かべます。
現在、相撲クラブはサンパウロ州で六つ。全国では約500人の競技人口があります。以前は日系人がほとんどでしたが、格闘技好きが多い国だけに現在は、日系人以外が7割を占めるのだとか。
代表監督も務めるヒグチ・タカヒロさん(31)はいいます。
「もっと多くの人に相撲を知ってもらって、第二の魁聖が出てくるように頑張りたい」
(サンパウロで和泉民郎 写真も)