2014年7月4日(金)
徴兵・拉致・殺傷・性的暴力…
子ども被害 23地域で
国連報告
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長の「子どもと武力紛争に関する年次報告」が1日に発表され、昨年も世界の23紛争地域で軍隊や武装組織への子どもの徴兵・徴用、殺傷、性的暴力など、重大な権利侵害行為が続いていることが明らかになりました。
子どもと紛争に関する国連総長特別代表のレイラ・ゼルーギ氏はニューヨーク国連本部での記者会見で、「子どもの徴兵が7カ国の政府軍、中央アフリカ共和国、南スーダン、シリアとその他11カ国の50の武装グループによって行われていることを確認した」と語りました。
子どもの徴兵、殺傷、性的暴力や学校・病院への攻撃などの残虐行為を行った紛争当事者を名指しする「恥のリスト」には今年、8団体が新たに加えられました。
新たに掲載されたのは、少女の集団拉致などの蛮行を続けているナイジェリアのイスラム過激派「ボコ・ハラム」。南スーダンでは、以前からリストにあった政府軍「スーダン人民解放軍」(SPLA)に加えて、反乱軍、ヌエル人の私兵組織「白兵団」が指定されました。
子どもの徴兵をなくす行動計画履行が評価されたチャド政府軍はリストから除外。今年のリストに掲載されたのは、15カ国・地域の政府軍を含む62団体となりました。
報告は、ソマリア、コンゴ民主共和国などの子どもは引き続き紛争の影響にさらされており、アフガニスタン、シリア、イラクでは紛争による子どもの死亡が激増していると指摘。中央アフリカでは、紛争当事者双方によって子どもの徴兵が組織的に行われていると非難しました。
またシリアは引き続き、「子どもであることが世界で最も危険な地域」となっていると指摘。南スーダンで昨年12月勃発した武力衝突は、同国が11年に独立してから実践してきた子どもの保護での成果をほとんど消し去ったとしています。