2014年7月2日(水)
きょうの潮流
現職の自衛隊員が、本紙に語りました。「自衛隊内には、後方支援という“机上の空論”で戦場に駆り出されてはたまらないという不満や不安が、公然とは言えないが渦巻いている」(6月29日付)▼自衛隊発足から60年。安倍政権は「憲法上許されない」としてきた歴代政府の解釈をひっくり返し、海外で戦争する国へと舵(かじ)をきりました。これまで一人も殺さず、戦死者も出してこなかった組織が、節目の日に転換点を迎えました▼先の隊員はつづけます。アメリカの戦争のために海外に派兵されて殺したり殺されたりするのは納得できない。じつは憲法9条が、自衛隊員の命を守る最強の盾になっている、と。その盾を取り上げられ、「死」が現実にせまります▼国民の生命を守るという首相が、自衛隊員の命を危うくする。「人助け」のために自衛隊に入った若者が、一内閣の勝手な解釈で命を奪い奪われる矛盾。そんな国にしてはならないと、いま国民の反対や不安は急速にひろがっています▼連日怒りと抗議の声がとどろく官邸前。ドラムをたたく大学生は「殺し殺されるという将来が待っていると思うと、いても立ってもいられない」。退職教師の夫婦は「あの悲惨な戦争の反省から歩んできた日本の戦後を否定するもの。こんな政権、早く倒さなければ」▼戦後70年を前に、亡霊のように現れた軍国主義内閣。それを許さないために立ち上がる多くの人びと。「憲法守れ」「若者殺すな」「戦争反対」! 亡国の安倍首相よ、この声を聞け。