2014年7月1日(火)
年金保険料納付率上昇
実態は強権的徴収と免除拡大
2013年度分の国民年金保険料の納付率は60・9%となり、前年度比1・9ポイント上昇しました。20代では3〜5ポイントも上昇しました。
納付率上昇は、月約1万5000円もの高すぎる保険料と、満額でも約6万4000円にしかならない低い給付はそのままにして、強権的な徴収と保険料の免除者を拡大したことによるものです。
納付督励では、民間の債権回収会社などを使って12年度に次ぐ規模となる6254万件を実施。戸別訪問757万件、電話4439万件、文書4347万件にのぼりました。
さらに差し押さえを可能にする「特別催告状」は、12年度の3倍超にあたる568万件を送付。最終催告は7万8030件、差し押さえは1万476件で前年度比7割増となるなど強権的徴収を大規模に進めました。
一方、低所得者や学生らに対する免除の適用をすすめ、全額免除者606万人、前年度比19万人増となりました。一部免除者も59万人と11万人増えており、対象者を除外して見かけだけ納付率を上昇させました。しかし、免除期間の保険料を追納しない限り、年金は減額され、低年金になってしまいます。
保険料が払えない理由は「経済的に払うのが困難」で74%と断トツ(厚労省調べ)です。「もともと収入が少ない、または不安定」と答えた人が55・1%にのぼり、非正規雇用の増加などが未納の原因となっています。
高すぎる保険料や不安定雇用にメスを入れることなしに、徴収だけを強めても根本的な解決にならないことを示しています。