2014年7月1日(火)
きょうの潮流
「大衆とともに」。公明党がこの言葉を掲げ、世に出てから半世紀がたちます。一時は安保反対のときもありましたが、大きく方向転換。90年代には自衛隊の海外派遣を認めたPKO法にも手をあげます▼連立の動きも激しくなります。非自民の細川内閣で初めて与党になった後、新進党への合流で分党。再結成したと思ったら今度は自民党と組んで政権に参加。以後、自公の連立は15年にもおよびます▼その公明党がいま、海外での武力行使を認めようとしています。平和を願う国民の期待や不安に背を向けながら。各地方の代表による先日の懇談会でも「北から南まで慎重・反対論が100%」(「毎日」)という状況なのに、です▼この問題では支持母体である創価学会も見解を発表しています。積み上げてきた憲法9条についての政府見解を支持する。集団的自衛権の行使は一内閣による決定ではない。国民を交えた慎重を期した議論で、歴史の評価に耐える賢明な結論を、と▼日本をふたたび戦争する国へと変えようとする安倍政権の野望。「平和の党」「ブレーキ役」を口にしながら、憲法より権力を優先してそれに加担するようでは、国民への裏切りといわれても仕方がないでしょう▼公明党の綱領は「生命・生活・生存の人間主義」を標ぼうします。しかし現実は戦争に国民を引き込む道をひらきながら、「限定的」「歯止めを勝ち取った」と言い訳を重ねる姿です。いつまで国民を偽りつづけるのか。結党から50年、その罪深さが際立ちます。