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2014年6月30日(月)

きょうの潮流

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 アフリカ・ジブチの夜の海岸で携帯電話を空に掲げる人々の写真。ヨーロッパや中東へ渡るソマリア人の出稼ぎ労働者が、家族と連絡を取るために電波をとらえようとする姿です▼東京都写真美術館で展示中の世界報道写真コンテスト大賞作品。携帯電話が放つかすかな希望のような光が、ソマリアに象徴される世界の貧困と格差、戦争、難民などの問題を静かに告発します▼撮影したジョン・スタンマイヤー氏(米国)は、写真家であることの目的を「目の前にある現実の非道さと力、人々の置かれた状況を表現すること」と語ります。「写真をきっかけに考え、行動を起こす人が現れてくれれば、集団の力で変化の車輪を回すことができるはず」と▼入賞作品が伝える世界の現実は、苦悩と悲しみに満ちています。パートナーの暴力におびえる若い女性と2人の幼子の危うい暮らしを追った組み写真(米国)。劣悪な労働環境で欧米の人気ブランド服を作っていた衣料品工場の倒壊事故後の写真(バングラデシュ)は、がれきに埋まった犠牲者の苦(く)悶(もん)の表情まで写し取っています▼イラク戦争で顔の骨が粉々に砕け、全身の40%にやけどを負い、左手を切断した元米兵が、自身の負傷をネタにコメディアンとして生計を立てている日常を活写した組み写真(米国)は、震えるほどの戦争の残虐さを訴えます▼この世界の一員として日本がすべきことは、「戦争する国」をつくることではない。暴力と貧困をなくす車輪を回すことだと教えられます。


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