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2014年6月29日(日)

きょうの潮流

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 亡くなる1カ月前、かつて「軍国教師」だった内藤美代子さん(享年94)は、娘にこう言ったそうです。「怖いわ。まさかこんな時代が二度と来るとは思いませんでしたわ。(戦前と)似てるわ」▼それから2年余。内藤さんの手記が、このほど同僚記者である娘さんの手によって出版されました。『いのちへの誓い』。副題に「軍国教師だった私が遺(のこ)したいこと」とあります▼日中戦争が始まった翌年の1938年、尋常高等小学校へ赴任した内藤さん。小学生の頃は、大正デモクラシーの高揚の中、『赤い鳥』や『コドモノクニ』を読む、よく考える子どもでした。それが師範学校を経て、「疑うことをやめ、言われるままに教科書通りを一言一句のまちがいもなく教える」無思考の教師に▼何がそうさせたのか。個人の歴史から日本の教育が軍国主義に加速する歩みが見えます。「忠君なくして愛国はなく、愛国なくして忠君はない」と説く『国体の本義』で、皇国思想をたたきこまれた新任研修。教師は点取り競争の毎日で学級の出席率を上げるため、熱のある児童でも大八車で登校させた教師もいた、と書き残しています▼戦後は日本共産党と出合い、生涯平和と民主主義のためにたたかいます。〈だまされて来たかと仰ぐ青き空八・一五の怒り今なおフツフツ〉〈幼(おさな)らに命軽しと教えたる遠き悔恨は今も鮮(あざやか)し〉▼集団的自衛権の行使容認で日本を「戦争をする国」にしようとする安倍政権。再び「命軽し」と教えろというのでしょうか。


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