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2014年6月27日(金)

中小6割で給料アップと首相いうが

実際は4割で定期昇給すらなし

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 「中小企業でも、その6割で給料アップが実現しているとの調査もあります」―。安倍晋三首相は24日の記者会見で、このように述べて胸を張りました。

 この調査が何を指すのか、首相会見を担当する内閣広報室に問い合わせると、どの資料のことを示しているのか分からないというのです。広報室の担当者は次のように言います。

 「首相の話の内容についてはお答えできないということです」

 そこで、安倍首相の話に該当しそうな調査を探してみると、6月11日付「読売」に掲載された「読売」、日本テレビ、帝国データバンクによる共同調査がありました。

 調査によると、14年度の賃金について、「引き上げた」中小企業は60・4%、「据え置いた」21・0%、「引き下げた」1・9%となっています。

 ところが、「賃上げの手法」(複数回答)をみると、「ベースアップ」は引き上げたうちのわずか39・2%で、もっとも多かったのは68・4%の「定期昇給」でした。「定期昇給」では、企業が支払う賃金の総額は変わりません。逆にいえば、4割の企業は定期昇給すら行わなかったという調査結果なのです。

 実際、政府統計によると、基本賃金は25カ月連続で前年同月を下回っています。

 安倍首相は都合のいい調査をつまみ食いして、アベノミクスによって経済がうまくいっているように演出します。しかし、どんな美辞麗句も、国民の生活実態をごまかすことはできません。 (清水渡)


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