2014年6月26日(木)
国民不在の密室協議 解釈改憲 7月上旬急ぐ自公
命かかわる大問題 閣議決定許されぬ
「国民的な議論もないままの閣議決定は許されない」。集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈変更の閣議決定を狙う安倍政権に反対の国民世論と運動がまきおこっています。ところが自民、公明両党は「結論ありき」の姿勢で閣議決定に向けた協議を急いでいます。
25日の会談で自公両党の幹事長は、与党協議の中身で正式合意を急ぐ方向を確認。会談後、自民党の石破茂幹事長は、安倍晋三首相の外遊前が「一つの節目だ」と述べ、7月上旬の豪州訪問前が閣議決定の期限だとの考えを示しました。首相の都合に合わせて、「憲法9条のもとでは集団的自衛権を行使してはならない」という歴代政府の憲法解釈を覆す決定を強行しようというのです。
5月20日以来、9回開かれた与党の密室協議では国民をごまかすための文言調整が二転三転。「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」としたこれまでの政府見解をねじまげたうえ、多国籍軍への自衛隊参加などのため、国連の集団安全保障措置の“抜け道”を探り、海外での武力行使を無限定で認めようとする協議の中身が鮮明になってきました。
しかし、世論調査では集団的自衛権行使にも解釈改憲に対しても反対が5〜6割。地方議会でも反対の意見書が114、慎重な対応を求める意見書が14にのぼっています(24日現在)。
こうした世論を受け25日の公明党内の協議では異論が続出。北側一雄副代表は週内合意は困難との認識を示しました。自民党の協議会メンバーの一人も「公明内がもめている」と焦りの色を見せます。
1990年代以降、憲法9条との関係で安全保障政策の転換が問題となった際には、それぞれに激しい国会審議がありました。国連平和維持活動(PKO)協力法(92年6月成立)は五つの国会、周辺事態法(99年5月成立)は四つの国会、有事関連法(2003年6月成立)は三つの国会で議論されてきました。
国民の命、国のあり方が問われる重大問題なのに、国会審議もなく密室協議で閣議決定するなど許されません。