2014年6月23日(月)
きょうの潮流
若者の定義は難しい。一般的には年の若い人たちをいい、10代後半から30代までを指すそうです。しかし、若さは年齢だけでは測れません。境界がみえない漠としたものを感じます▼今月、内閣府が公表した若者白書で気になる項目がありました。日本を含む7カ国の13〜29歳までの男女を対象にした意識調査。諸外国と比べて日本は自分の将来に希望をもてず、自己を肯定的にとらえる割合も最低でした▼国や社会の行く末を悲観する若者も多く、自分の力ではそれを変えられないという、もどかしさも。そんなふうに描かれる今の若者たちが、自分たちの命と自由のために声をあげようと、日曜日に「若者憲法集会」を開きました▼集団的自衛権とは、表現の自由とは、憲法を生かすには―。都内各地での分科会や千人が一堂に会した全体会は学ぶ意欲や熱気にあふれていました。東京の大学に通う20歳の女性は「どうせ変わらないとあきらめないで一緒に考え、行動することが大切だと思う」▼雨上がりの夕方。渋谷の街中に生き生きとした声がこだましました。「戦争いやだ」「憲法守れ」。訴えに次々と反応する沿道の大勢の若者たち。わきおこる拍手、伸びるデモ隊の列。共感する同世代の姿が温かく、なんとも頼もしい▼今の若者は戦争体験者から直接、話を聞ける最後の世代。「命が粗末にされた時代を生きた人たちから託された平和のバトン。それを受け継ぎ、次の世代に渡したい」。未来への希望の光りがここにあります。