2014年6月18日(水)
児童ポルノ禁止法改定案可決
恣意的捜査を拡大
参院法務委 仁比氏反対
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児童ポルノ禁止法改定案が17日の参院法務委員会で、賛成多数で可決されました。日本共産党の仁比聡平議員は、「処罰する必要のないものにまで広範に捜査の網をかけることが否定できない」として反対しました。
採決に先立つ質問で仁比議員は「児童ポルノは児童に対する最悪の性虐待であり、その根絶のために対策を強める必要があることは明白である」と述べ、法案が単純所持の禁止規定をおくことは適切だと主張しました。
一方で、仁比氏は、法案にある単純所持を処罰する規定が主観的要件を含んでおり、児童ポルノの概念にも不明確さを残していることから、恣意(しい)的な捜査を拡大する恐れが大きいと警鐘をならしました。
仁比氏は、イタリアのNGO(非政府組織)の2011年の調査によれば、インターネット上の児童虐待の動画・画像の流出元の9割が、単純所持が処罰化されている欧米だったことを紹介。「単純所持を処罰化したからといって、インターネット上の拡散防止には成功していないという意見もある」と指摘しました。
一方、日本政府はインターネット上の児童ポルノの流出状況など実態調査を行っていません。仁比氏は、被害を根絶するため、実態把握を行うこと、警察と児童相談所などが連携し、被害児童の保護を強化することを求めました。
谷垣禎一法相は、国際的な連携を図っていくと述べ、「実態把握は今後取り組んでいきたい」と答えました。