2014年6月13日(金)
欧州議会 左翼会派1.5倍に
「緊縮財政やめさせる」
【パリ=浅田信幸】欧州連合(EU)の立法機関、欧州議会(定数751)の左翼会派「欧州統一左翼/北欧緑左翼」が、5月末の欧州議会選の結果、改選時比17人増の52人、約1・5倍の勢力となりました。同会派のガビ・ツィンマー委員長(ドイツ左翼党)が11日、記者会見で発表しました。
ツィンマー氏は会派の拡大を喜び、「社会運動や労働者とともに貧しい人や排除されている人、失業者、若者の声を反映させるために活動する。緊急の問題は緊縮政策を止めさせ、環大西洋貿易投資協定(TTIP)に反対することだ」と決意を述べました。
同会派には、これまで加入していたドイツ左翼党、フランス左翼戦線、スペイン統一左翼、ポルトガル共産党、ギリシャ急進左翼連合、キプロス勤労人民進歩党、オランダ社会党、チェコ・モラビア共産党などのほか、スペインで5議席を確保した「ポデモス」、イタリアで3議席を得た「別の欧州」などが新たに加入しました。
スペイン語で「われわれには可能だ」を意味するポデモスは、占拠(オキュパイ)運動の先駆けとなったマドリードの運動を母体として結成された政党。別の欧州は“真の左翼の声を”と知識人や文化人が結成を呼び掛け、共産主義再建党も加わったネットワークです。
一方、これまで同会派に加わっていたギリシャ共産党は今月初め、「EUの美化と支持を主要方針とする会派への参加」は「帝国主義的EUに反対するたたかい」に役立たないとして、不参加を確認しています。
欧州議会 欧州連合(EU)加盟28カ国の首脳・閣僚で構成する欧州理事会と並び、EUの立法府を構成する議会。任期は5年。人口や小国の権利を考慮して各国の議席数が決まっています。政治的立場の近い各国政党が集まって会派を構成します。