2014年6月12日(木)
私立高校中退 経済的理由 最少に
就学支援金制度が定着
全国私教連調査
2013年度に学費が払えないなど経済的な理由で私立高校を中退した生徒の割合が過去最低だったことが10日、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査でわかりました。
29都府県300校(全国の私立高校の23・3%)、生徒数25万6001人(同25・1%)が回答しました。
経済的理由で退学した生徒は83人で、対象生徒数の0・03%(前年度0・04%)と、1998年度の調査開始以来、過去最低となりました。3月時点で、3カ月以上の学費滞納を抱えたまま進級、卒業した生徒の割合も0・32%(前年度0・34%)と過去最低でした。
記者会見で全国私教連の永島民男委員長は「就学支援金制度が定着し、同制度が各自治体の減免制度を下支えしてきたことや、各学校が支援金制度を充実させてきた結果ではないか」とのべました。
授業料を助成する就学支援金制度に4月から所得制限が導入され、年収910万円以上の家庭には支給されなくなりました。導入に際し32都道県が学費負担軽減のための自治体独自の予算額を削減したため、自治体間の格差が拡大しています。2013年度の私立高校の平均学費は計55万1140円にものぼっており、いっそうの支援が必要です。
こうした現状をふまえて全国私教連は、▽就学支援金制度への所得制限導入の見直し▽就学支援金制度のいっそうの拡充▽自治体間格差解消に向けた国の積極的な施策の実施―などを提案しています。