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2014年6月12日(木)

閣議決定 道理なし 集団的自衛権行使へ暴走

世論無視・密室協議・政府従来見解の曲解

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 「こんなやり方で日本の針路を変えてしまって、後世に責任を持てるのか」「結論ありきで急ぐのはあまりに乱暴だ」―一般紙でもこう批判される集団的自衛権行使容認に向けた安倍首相の暴走。20日にも憲法解釈変更の閣議決定を強行する姿勢を強めています。解釈で9条そのものをなくしてしまうに等しいもの。閣議決定に何の道理もありません。


 安倍首相と自民党は「国会会期内」の決定を強調しますが、国会審議の積み重ねでできた憲法解釈を閣議決定だけで変えること自体が、国会無視、国民無視の暴挙です。

 実際、憲法解釈変更の本格的検討を表明した5月15日の記者会見以降、首相が出席しての集中審議は衆参両院で1日ずつ行われただけ。

 そのわずかな審議でも、それまでの“歯止め”を取り払い、自衛隊を「戦地」に派兵する狙いが浮き彫りになりました。5月20日から始まった与党の密室協議でも、政府は他国部隊への「後方支援」の条件をコロコロ変えながら「戦闘地域に行かない」との“歯止め”をはずすことでは一貫しています。

 与党の密室協議で「米国の戦争のために日本の若者に血を流させる」ことが許されるかが問われています。

 安倍首相は「これまでの政府の憲法解釈との整合性」に言及していましたが、15の軍事的事例を示して「国民の命を守るために必要だ」と強弁しています。ところが、持ち出した事例はすべて非現実的なものばかりです。

 一方で、閣議決定に向けた文案の「準備」で、1972年の政府見解を解釈変更の根拠として持ち出しました。「見解」が「自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置」を認めているから、これに集団的自衛権が含まれるとしています。しかし、その「見解」は結論で明確に集団的自衛権を否定しています。どこをどうひねれば結論をまったく逆に曲解できるのか、批判が集中しています。

 安倍首相は与党協議について「期限ありきではない」といいましたが、与党協議で自公のあつれきがあらわになる中、協議の最中なのに「今国会中に閣議決定を」と指示。自民党の高村正彦副総裁・与党協議座長は11日、今国会中の閣議決定を目指すのは、年末の日米軍事協力の指針(ガイドライン)再改定に反映させるためだと語りました。

 戦争協力の相手である米国との交渉日程を最優先に、国民世論を無視して、9条破壊を断行する姿勢を明言したものです。

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