2014年6月7日(土)
キユーバ初招待 来春の米州サミット
米圧力での「排除」の歴史に幕
【サンホセ(コスタリカ)=菅原啓】南米パラグアイの首都アスンシオンで5日開催された米州サミット準備会合で、来年4月に開かれる第7回サミットにキューバを初めて招待することが承認されました。キューバの民主主義状況に不備があるとする米国の意向でキューバはサミットから域内で唯一「排除」されてきました。今回の決定は、こうした歴史に終止符を打つものです。
準備会合で承認
キューバ招待を決めたのは、サミット実施検討グループ(GRIC)の会合。現地メディアによると、第7回サミットのホスト国パナマのアルバレス外相がキューバ招待を提案。これに対し、米国代表は民主主義国であることが参加の基準だとして反対を唱えましたが、エクアドル、ボリビア、アルゼンチンなど中南米カリブ海の諸国が次々に招待に賛成しました。
アルゼンチンのティメルマン外相は、キューバが今回も排除されるなら、自国の参加は「非常に困難になる」とサミットのボイコットを示唆。ボリビアのロドリゲス代表も、キューバ参加が認められないなら、「われわれが排除されたと考える」と主張しました。
最終的には会合に参加していた34カ国中過半数の国がキューバ招待に賛成。ホスト国パナマの判断に委ねることを決めました。キューバを招待するというパナマの態度は明白なことから、キューバ招待を「コンセンサスで決定」(パラグアイのナシオン紙)と報じられています。
GRICは、3日からアスンシオンで開かれた米州機構(OAS)第44回総会の機会に行われました。総会は5日、貧困や飢餓を一掃し、不平等をなくす課題や開発の恩恵から取り残される人々を残さない取り組みの重要性を強調した宣言を採択し閉幕しました。