2014年6月7日(土)
空自、改憲先取り研究 06年に報告書
衆院委 笠井氏追及に政府認める
敵基地攻撃・対核兵器作戦…
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航空自衛隊(空自)が将来の憲法改定や集団的自衛権行使容認の解釈変更に備えて、たたかい方の基本原則(ドクトリン)をまとめるため、憲法や既存の法体系を逸脱した研究を独自に進めていたことが分かりました。6日の衆院外務委員会で、日本共産党の笠井亮議員が内部文書を示して追及し、防衛省は「部隊内で独自に検討したもの」と認めました。
文書は、空自幹部学校が2006年3月にまとめた「航空自衛隊ドクトリン等に関する調査研究」と題された報告書。研究をもとに空自は11年3月、最上位文書となる「基本ドクトリン」を初めて策定し、これをもとに全隊員へ戦術や心構えの徹底を図っています。
報告書は「将来の憲法改正、集団的自衛権の解釈変更…等に対応する上で、航空防衛力の運用にかかわる基本的考え方を開発し、明確にすることが必要」と強調。さらに「これまでは、政治が決定する任務や役割を受けて対応するといった受動的姿勢であったが、今後は…法的な枠組みを超えて空自が主体的に議論する場…が必要」と述べています。(写真下)
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笠井氏はこの記述について、自衛隊が政治の議論をはるかに先取りして研究を進めるもので、「文民統制上も大問題だ」と指摘。武田良太防衛副大臣は、「政治が決める前に独自でやることは許されない」と述べた当初の答弁を、途中から「『研究』と『行動』は異質のものだ」などと変えて研究を容認しました。
さらに報告書は、「防衛政策を超える行動」として、空自による(1)敵基地攻撃(攻勢対航空)(2)対核兵器作戦(3)宇宙作戦―をあげ、いずれも「研究が必要」と結論づけています。宇宙の軍事利用も08年の基本法成立まで禁止されていました。
笠井氏は米アラスカ州で行われた米軍主導の多国籍軍事演習で、空自戦闘機F15が米軍B52爆撃機と一体となって敵基地攻撃訓練を実施(5月31日付本紙既報)していることを指摘。「研究だけでなく、すでに集団的自衛権容認を先取りした訓練まで行われているのが実態だ。断じて許されない」と批判しました。