2014年6月5日(木)
テロ容疑者リスト 日米で名簿共有か
井上議員が追及 外務省は答弁拒否
日米の捜査当局が、テロを起こす疑いがあるとする人物のリストを互いに交換している可能性が3日、明らかになりました。米国が渡航者のビザ(査証)免除を継続する条件として求めているもので、同日の参院外交防衛委員会で日本共産党の井上哲士議員が実施の有無を追及。外務省は「米国との信頼関係」を理由に答弁を拒否しました。
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テロ被疑者リストをめぐっては、警視庁公安部が「テロ対策」と称して都内のイスラム教徒の尾行やモスク(礼拝所)の監視などで集めた、約1千人の個人情報が2010年に流出。警視庁は流出を謝罪する一方、「必要な情報収集」として人権侵害を認めていません。
米国はビザ免除の条件として、(1)テロ被疑者およびテロを起こす恐れのある者に関するリストの共有(2)紛失および盗難パスポート(旅券)情報の共有(3)犯罪被疑者の指紋情報の共有―の三つを求めています。
3条件のうち、盗難パスポート情報の共有はすでに実施ずみです。また、被疑者指紋情報の共有は5月28日に法律が成立しました。
井上氏は委員会で、実施状況が不明なテロ被疑者リストの共有について事実関係を質問。10年の流出文書に、外国に提供したとみられる英文の調書が含まれていたことも示して、「実際に共有しているのではないか」と迫りました。
外務省の三好真理領事局長は、公共の安全や米国との信頼関係に支障をきたすとして答弁を拒否。岸田文雄外相も、「相手国との信頼関係等に鑑みて(回答を)控えるというのが政府の対応だ」としました。